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 ■まずは車両火災の発生件数とその原因を知ろう。
 

【原因】走行装置
・ハブベアリング焼付(グリス充填、ベアリング損傷、プリロード)
・タイヤバースト
【原因】制動装置
・ブレーキブースター分解整備末
・ペダル戻り不良
・ブレーキ多用
【原因】原動機
・排気系への可燃物接近・飛散
(油堆積、木製工具箱、積荷、鳥の巣、ホース破裂でオイル飛散)
【原因】その他
・電気系ショート
(干渉、追加配線、飲料水こぼれ)
・たはこ 他
 
  国交省ホームページ掲載の大中小トラック車両火災事故(2009年1月〜9月)  ※日野自動車株式会社調べ  

     
  最近のトラック火災発生事例とその原因
発生日
 
車種
形式
原動機
走行距離
 
発火箇所
火災の内容
発生原因
2009年
9月25日
日野
レンジャー
FD1JLC
J08C
792764km その他 走行中、変なにおいがしてヒューズボックスから白い煙が発生、段々煙がひどくなり、突然出火した。
【火災(人的被害無し)】
調査の結果、ドライバーが引き回した配線が容量を超え、ヒューズも通っておらず、配線が過電流となり出火したものと判断された。
2009年
9月25日
日野
プロフィア
FW1EXY
E13C
710000km 走行装置 高速道路走行中フロント左タイヤより発煙した。自走でPAに入り車両を止めたと同時にタイヤが発火し火災となった。
【火災(人的被害無し)】
調査の結果、水浸入およびグリス不足による潤滑不良により、ベアリング焼付から出火に至ったものと判断する。
2009年
9月24日
三菱
ふそうキャンター
FE82EEV6A1
4M51
330605km その他 集配のため車両を停車し、キースイッチオフにてエンジンを停止した。エンジンキーを抜き、ドアをロックした。車両後部観音扉より食品を降ろし、店内に搬入した。チルド食品を取りに車両へ戻る際、煙を確認した。
【火災(被害程度不明)】
調査中
2009年
9月24日
ニッサン
ディーゼル
CD45CW
PF6B
不明km その他 走行中、後後軸左側より出火した。
【火災(人的被害無し)】
調査の結果、前日にブレーキを調整した際の不備により、ブレーキ引き摺りとなり、ブレーキドラムが過熱、発火したものと推定する。
2009年
9月17日
いすゞ
エルフ
NPR72PR
4HJ1
153802km その他 走行中、キャブ右側付近から出火した。
【火災(人的被害無し)】
調査中
※国土交通省ホームページ:事故・火災情報検索<自動車のリコール・不具合情報より抜粋

  ■運送事業者で初めて??車両火災実証訓練を実施 <富士運輸株式会社>  
 

[ WMVファイル 19.4MB   3分54秒 ]
動画コンテンツの閲覧にはWindows Media Playerが必要です。 
 
 
富士運輸株式会社 代表取締役社長 松岡弘晃氏は語る。

トラックの車両火災は、乗務員の生命を脅かすだけでなく、大切なお客様の荷物まで焼失してしまう可能性があります。
万が一 火災になったとき、トラック用の小型消火器でどこまで火は消火できるのか?またどのように対処すればいいのか?
これには検証と訓練が必要と判断しました。
そこで4トン車を1台、実際に燃やしてみることにしたのですが、今回の実証訓練で様々なことがわかり、弊社は、この車両火災の
実証訓練の実績を活かし、お客様の商品をより安全により確実に輸送が出来ますように、社員全員が一丸となって取り組む所存でご
ざいます。
 
 
■実証訓練の結果    <富士運輸株式会社のホームーページより>
1.トラック用の標準的な小型消火器では5秒程度しか噴射しない。
2.タイヤに火がつくと消火器1本では消化できない。
3.ボディや貨物まで延焼すると、炎の勢いが強くなり消火が困難になる。
4.タイヤが燃えれば3分程度で庫内まで火が入り貨物も燃える。
5.車両火災は初期消火が明暗を分ける。
6.車両火災は訓練をしていないと、いざという時の対応ができない。

 


  ■車両火災を起こさないための対策といち早く発見するために

 
国土交通省などの資料を見ると、火災事故の大部分は車両の整備が不十分なためであり、適切な整備を行うことで火災の予防につながるとあります。
以下が整備上の注意事項です。

不具合内容 現象と原因
ハンドル操作性
(異常、異音、振動)
フロントハブベアリングの異常、ベアリングの焼付
・過熱によるグリースの発火、ブレーキ液漏れ・発火。
・ハブ(ブレーキドラム)とブレーキシューの芯ズレによるブレーキ引き摺り。
力不足、異臭 ・ブレーキ引き摺りで過熱しグリース発火、ブレーキ液漏れ・発火。
・駐車ブレーキの戻し忘れで過熱し発火。
・エンジンのオーバーヒートでヘッドカバーのシール(O−リング)から油漏れし、排気マニホールドフランジ部に流出し発火。
・エアクリーナーへ火種を吸い込みエレメント燃焼し、吸気ホース、ダクト燃焼しキャブ燃焼。
・クラッチのすべりでフェージング磨耗、リベット磨耗しクラッチバースト。T/Mケース、フライホイールハウジング破損で油噴出し、排気管へ飛散し発火。
ブレーキ効き不足、異臭 ・補助ブレーキの使用不適切で、サービスブレーキを使いすぎ過熱発火。
キャブ内異臭 ・キャブ内の追加配線などが過熱し、被覆燃焼し、ハーネス延焼拡大。
・床に落としたライターがシートをスライドさせた時着火し延焼。
タイヤ空気圧不足 パンク ・走行中タイヤが破損し、破片がブレーキパイプを破損。エア漏れでブレーキ引き摺りし、発火。
ABS警告ランプ点灯 ・本来ABSの警告であるが、ハブベアリング異常やブレーキ引き摺りの結果として、ABSセンサーの断線、センサーギャップ異常となり、警告ランプが点灯する場合があります。
※日野自動車株式会社 テクニカル・メッセージより

 

積極的な対策 <車両火災の関わる製品あれこれ>
 
  ■車両火災早期発見のために・・・車載用火災監視センサー
 
 

  ■万が一 車両火災が起こったら・・・すばやく安心・安全に初期消火させるためのアイテム