第1に軽油価格だ。調べによると関東での店頭平均が138.2円。これには15円の税金に暫定税率アップ分の17.1円。106.1円の軽油に32.1円の税金がかかっていることになる。
仮に暫定税率が本来の税率になれば、106.1円+15円=121.1円になる。世界的に原油が高くなっていることを背景に3年前のレギュラーガソリン並みの価格である。
あってはならないが、燃料費節約のため高速道路を使わなくなる。ここに矛盾が生じる。
使わない道路を整備するために運送事業者は税金を課せられることになる。さらに当然ドライバーは納期厳守のため時間をかけて一般道を使うようになる。違法と分かりながら長時間乗務が横行し、睡眠不足など疲労蓄積を原因とする事故が多発する恐れがある。
次に前述の助成金も問題だ。国土交通省に問合せてみると、暫定税率と運輸事業振興助成交付金は関係がないという。しかし、この交付金は各都道府県に入る軽油引取税から交付されるもの。4月に暫定税率の期限切れで交付金そのものも一時凍結となった。5月になり暫定税率が復活したが「交付金については国土交通省と総務省の協議に上決定しますが遅れています。いつ結論がでるかわかりません」と国土交通省はいう。
依然トラック協会には交付金についての通達は無く(5月14日現在)、各種助成金については一時凍結とするトラック協会も少なくない。これにより、安全機器購入の助成金が出るのか出ないのかがはっきりせず、導入を躊躇する事業者も増えているという。
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