衝突防止補助システム Mobileye C2-270特集

運送事業者にとって、トラックの事故はまさに死活問題である。ささいな事故であってもひとたび人を巻き込めば経営自体を揺るがしかねない。
ジャパン・トゥエンティワン株式会社(本社:東京都渋谷区、代表:加藤充)から発売されている、「Mobileye(モービルアイ)」は、フロントウィンドウに取り付けたカメラの映像から人、クルマ、二輪車、車線を認識し、事故を未然に防ぐために警告を発する「衝突防止補助システム」だ。

その「Mobileye(モービルアイ)」が、このたびモデルチェンジされた。新しいモデル名は530。新しく外観デザインを変更
し、操作性、機能をより向上させている。

これまでにクルマに後付する衝突防止補助システムとしてモービルアイ C2-270を主力に2011年の発売以来3万台以上を出荷しており、事故防止の効果性より、急速に販路を拡大している。トラックにおける事故防止機能としては、国土交通省や全日本トラック協会が定めるASV装置(※1)としての「ふらつき注意喚起」「車線逸脱警報」だけでなく、「歩行者衝突警報」「前方車両衝突警報」「前方車間距離警報」「低速時前方車両衝突警報」まで機能を持ち合わせている製品だ。これまでもモービルアイはトラック向けとして発売をしていたが、事故防止の効果性より、現在急速に販路を拡大している。
また特筆すべきは、「後付けが可能」であるという点だ。これまでトラック用のASV装置のほとんどは、新車購入時にメー
カー純正品しか選択することができなかった。しかし、このモービルアイはほとんどの車種・年式の既存車への装着が可能な
のだ。装着には、車両のコンピュータ情報を取得する必要があることから、専任のスタッフによる取り付けが必要だが、平均
使用年数が12年とも言われるトラックだけに、今すぐ全車に装着できるASV装置として注目される。

※1)ASV装置:衝突被害軽減ブレーキ装置、ふらつき注意喚起装置、車線逸脱警報装置及び車両横滑り時制動力・駆動力制御装置)の総称

ジャパン・トゥエンティワン株式会社とは?
アイモバイル社はMobileye社了承の下、同社のアフターマーケット製品であるMobileyeシリーズのマスターディストリビューターとして、輸入販売を行っている。
Mobileye社とは?
Mobileye社(モービルアイ 本社:イスラエル)は、先進運転支援システム(ADAS)のテクノロジーリーダー。 独自のチップセットとアルゴリズムによって駆動される同社特有の視覚ベースを基盤にしたシステムで、衝突リスクを第三の目となって軽減する。Mobileyeの包括的なソリューションはアフターマーケット アプリケーションとして利用可能であり、また数多くの自動車メーカーの車に実装されている。

社会的背景(トラックの事故状況)

<安全運転義務違反に起因する事故発生件数>
項目 平成20年度 平成21年度
安全運転義務違反 全体 22,876 100.0% 19,854 100.0%
運転操作 1,462 6.4% 1,154 5.8%
前方不注意 漫然運転 2,218 9.7% 2,006 10.1%
わき見運転 6,159 26.9% 5,313 26.8%
動静不注視 4,397 19.2% 3,849 19.4%
安全不確認 7,904 34.6% 6,946 35.0%
安全速度 297 1.3% 217 1.1%
その他 439 1.9% 369 1.9%

※(財)交通事故総合分析センター資料より一部抜粋
前方不注意(漫然運転)で多いもの
1.居眠り運転
2.ラジオ・ステレオを聞いていた
3.雑談や携帯電話での通話
4.考え事
前方不注意(わき見運転)で多いもの
1.他の車や歩行者を見てい
2.風景等を見ていた
3.物を落とした、物を取ろうとした
4.バックミラーやドアミラーを見ていた
動静不注視を含め、判断ミスで多いもの
1.具体的な危険がないとの思い込み
2.相手が譲ってくれると思い込み、注視しなかった
3.速度・車幅・距離等の運転感覚の誤り
4.道路状況、道路線形に対する認識違い

製品紹介

Mobileye530は、車両のフロントガラスに取り付けたカメラが前方の車両・オートバイ・歩行者・自転車・車線を検知。 検知したものまでの距離と相対速度に基づき計算された"衝突するまでの時間を計測し、衝突の危険が迫ると未然にアイコン表示とブザー音による警報を出す。
Mobileye社が独自に開発した最新のEyeQ2画像処理チップによって、世界で唯一単一カメラによって人や車を検知することが可能だ。

Mobileye C2-270の主な特徴

こんな時、警報で危険を教えてくれる!!
前方車両警報
前方のクルマやオートバイにぶつかりそうになったとき
車線逸脱警報
運転手が意図しない車線変更が行われたとき
前方車間距離衝突警報
前方のクルマやオートバイとの車間距離が短くなったとき
低速時前方車両警報
低速状態で、自車がノロノロと前方のクルマにぶつかりそうになったとき
歩行者衝突警報
歩行者または自転車にぶつかりそうになったとき

現在稼働中のトラック・乗用車に取り付けができるアフターマーケット用に製品化!

Mobileye 530は、車両から車速、ウインカー、ブレーキなどのデータを得て総合的に判断して警報を発する。例えば55km/h以上で 走行中ウインカーを出して車線変更すれば警報はならない。
ゆえに、専任のスタッフによる取り付けが必要となる。もちろん24V対応だから、大型トラックへの装着も可能だ。

期待される効果=投資対効果

「投資対効果」を生み出す3つの効果

交通事故低減
運送業の場合、安全義務違反による事故は、時として会社の存続に直結する事態にもなりかねない。これは脅しでもなんでもなく、大手の事業者であっても事故による損失は計り知れない。上の表でも説明した通り、トラックの事故の多くは居眠り・わき見運転による衝突事故である。
あと3秒、いや1秒早く気がついたら………事故は未然に防げるかもしれない。
運転技術や習慣の改善
トラックドライバーの場合、これまで無事故だったからという理由だけで、それが危険を伴う運転であることを自覚していないケースが多い。モバイルアイを装着することによって、自分の運転の危険度がはっきりと認識することができるのだ。
警報を鳴らさない運転=安全運転の意識づけによって運転が改善される効果がある。
燃費向上
警報を鳴らさない運転=車間距離をとり急発進・急ブレーキをしない。無理な割り込みや歩行者などに気を付ける運転である。当然、安全運転に直結するのだが、それだけでなく必要以上にアクセルを踏まない運転となる。
結果として、燃費の向上につながる効果が期待される。

 

編集後記
ジャパン・トゥエンティワン株式会社の加藤社長にお話しを伺った際、「弊社のモービルアイは、安全運転養成ギブスです。」と語っていたのが印象的だった。確かにモービルアイの役割は事故をした時、人的被害を軽減するエアバックのようなパッシブセーフティではなく、ABS(アンチロックブレーキシステム)のような事故を起こさないための安全装置。すなわちアクティブセーフティ(予防安全)である。しかしながらABSのような機械が勝手にやってくれる予防安全ではない。
あくまで警報を鳴らすだけだから、最後はブレーキを踏む、ハンドルを切るなどの人間のアクションに委ねられる装置だ。その意味では安全運転養成ギブスはズバリ的を得ている。
また同氏の話によると、海外のケースでは、モービルアイの装着が、「交通事故被害を約半分にする」効果がでており、事故を減らす=儲かるという構図から「中小・零細の運送事業者こそモービルアイ」と言える、投資対効果を生み出すのだという。
いずれにせよ、事故を減らす直接的な製品として注目が集まるのは間違いないであろう。

アイモバイル株式会社 会社紹介

日本語名称
ジャパン・トゥエンティワン株式会社
http://www.imobile.bz/
http://www.japan21.co.jp/
英文名称
J21 Corporation
住所
東京都渋谷区恵比寿西1-26-7
TEL:03-5456-8520/FAX:03-5456-8541
資本金
47,955万円
設立日
2011年7月1日 アイモバイル株式会社 設立
2014年2月1日 ジャパン・トゥエンティワン株式会社と合併
代表者
加藤 充
取引銀行
三井住友銀行 恵比寿支店
Email
info@imobile.bz
クラリオン株式会社