青果物の輸配送手配事業などを行なう全日本ライン株式会社(本社:東京都千代田区 社長:木村 治)は、7月1日より「運輸.com」の運営を開始した。

「運輸.com」とは、新規荷主開拓や帰り荷を探して増収につなげたい運送会社と荷主企業とをインターネットでつなぐマッチングサイトで、運送会社は希望条件にマッチする荷物情報を検索することができる。また空車情報を登録することで、荷主企業のニーズとあえば応募を受けられる。
月会費は、月額5,775円(税込)のみで、入会月は無料でお試しができる。

右が「運輸.com」の求車一覧表示画面。

同社がこの「運輸.com」を開設した理由のひとつは、「求貨求車システムそのものは珍しいものではありません。ただし、まだまだ活用されていないというのが現状ではないかと思うのです。弊社では、青果物の輸送に携わっておりますが、食品の輸送は他と違った難しさがあります。協力会社を含め帰り便が探せなかったり、これまでの求貨求車システムではうまくマッチングできないなどの声を良く聞きます。」だという。

「これまでの求貨求車システム」と何が違うのか?という、少し意地悪な質問をしてみた。

「仕組みが違っているとか、特にここが違うというところはありません。ただし、私たちも運送のプロです。かゆいところは熟知していると思っております。」とのことであった。

確かに、IT屋がつくるシステムは業界のことを知らずに作るから、どことなく使い勝手が悪かったり、難しい用語が出てくるなんてこともある。


 ■新しい配送依頼の登録画面
極めて簡単な配送依頼の登録画面。



この画面なら、パソコンが苦手な担当者でも間違うことなく配送依頼を登録することができるであろう。
 ■新しい空車情報の登録画面

配送依頼と同様にとても簡単な空車情報の登録画面。



基本的には、出発地の日時と場所、到着地の日時と場所を登録するだけ。
その作業的には、プルダウンで選ぶが主流で、キーボードをたたくことはほとんどない。

 

上の写真クリックするとPDFファイルでご覧いただけます。

運輸.com のサイトはこちらから

これまでの求貨求車システム・・・と前述したが、いくつものサイトが誕生しては消えていったのも事実で、今なお活用されている求貨求車システムは、片手で足りるほどだ。
大切なのは情報のフレッシュさ。常に配送依頼が更新されていれば、新たな荷主を探しに運送事業者の会員も増えることであろう。

また荷主も同じで、運送事業者の会員が多く、常に見られているサイトであれば、求貨求車システムは自社の物流を任せる大事なパートナーを選ぶのに最適なツールとなる。

以前、取材させていただいた奈良県の富士運輸株式会社では、「求貨求車システムは、帰り荷を得るだけでなく、新たな荷主を探す大事なツールになっています。それゆえ専任のスタッフにより交渉しています。」と語っていた。

同社では、食品輸送を手かける運送会社の会員を増やすことで、特色を出していき、3年後に運送会社1500社、荷主3000社の利用を目指す。としている。

「運送屋」が運営する求貨求車システム。

今後の成長に期待したい。