【緊急アンケート】
緊急事態宣言の解除から1週間が経過。
コロナ禍の運送事業者の経営状況 
―緊急事態宣言後の物流―

2020年6月1日(月)コロナウイルス感染症に係る緊急事態宣言の解除から1週間が経過した。
ここにきて、医療機関の経営悪化はニュースでよく取り上げられているが運送業界はどうなのであろうか?
今、何に困り何が問題になっているのだろうか?

当編集部では、知り合いの運送事業者を中心に以下3つのアンケートをお願いし16社から回答を得られた。運送業界全体の景況調査はトラック協会などに任せるとして、「コロナ禍の運送事業者の経営実態」として記録に残しておくべく、ここに生の声として紹介したい。

【3つのアンケート内容】 1.緊急事態宣言中は仕事は減りましたか?(増減何%くらい?) 2.緊急事態宣言が解除され1週間が経ちましたが、コロナ前に比べ車両の稼働率は? 3.減った場合→コロナ前にもどりつつありますか?

北海道物流開発株式会社(北海道)

<全社的には>
1.4~6%減
2.多少減
3.まだ変わらず減ったまま
<関東>
1.30%減
2.同上
3.減ったまま
インバウンドの激減で、菓子など空港土産物の商品が蒸発的に激減して、サプライチェーンのトコロテン方式に風上側から車両稼働が減少
一般市販品商品の需給状況は微減
業務用カテゴリー商品は激減

アイ・ティー物流株式会社(千葉県)

1.緊急事態宣言中は7.8%減
2.解除後は20%減で悪化です。
3.まだ1日ですので分かりませんが、先月のオーダーはゼロなのでその日暮らしです。

清水運輸グループ(埼玉県)

1.5%減
2.80%
3.戻るまで年単位かかりそう
思いっきり減った仕事と特需になった仕事があり、売り上げ的には5%減でしたが、今後は前年並みになるまで月単位ではなく、年単位かかりそうです。
仕事の情報より、空車の情報が多く倉庫の稼働も悪いです。

東京都港区の運送事業者A社(東京都)

1.売上は20~25%ダウンで稼働率は10%ダウンくらいです。原因は引越繁忙期の筈が引越件数がかなり減りました。
2.定期のお客様は、コロナ前と殆ど変わりません。スポットはまだ稼働が少ないですね。

株式会社ロジックスライン(千葉県)

航空貨物はひどいものです。
2月3月はやや影響を受けるが、恩恵もあり結果良好でした。
4月は対前年同月比5%減くらいですが、増車しているので実質10%は落ちています。
そして5月は最悪で航空貨物は35%減です。
6月も期待持てません。

林運送有限会社(三重県)

1.減りました。
自動車関係の納品がガラスはほぼゼロ、原料関係(シリンダーやミッションケースのアルミインゴット)などは半減。食品は外食系の納品が止まった。売り上げで4月比10%減、前年比だと20%以上減
2.6月に入って一層悪くなった感じです(予想はしてたけど)。
3.ほんの一部の外食系の納品が戻ってきました。3月に増車したトレーラーダンプが順調なので、一般物が落ち込んでるが、ダンプの利益があるのでカバー出来ています。
今月下旬になれば自動車関係の一部稼働するかもとの情報なので、今月を我慢すればって感じです。

三重県の運送事業者B社(三重県)

1.5%減
2.稼働率は変わりない。人が増えた分はよくなっている。
3.戻る傾向にある。

主に九州を拠点する運送事業者社(福岡県)

1.20%減少
2.70%稼働
3.変化無し

株式会社ウインローダー、株式会社エコランド、株式会社サンウェイ(東京都)

1.緊急事態宣言中は仕事は減りましたか?(増減何%くらい?)
〇株式会社ウインローダー
3月まではほぼ変わらず。
4月は昨年対比5%減、5月は昨年対比15%減予想。
〇株式会社エコランド
3月まではほぼ変わらず。
4月は昨年対比25%減、5月は昨年対比30%減予想。
〇株式会社サンウェイ
3月まではほぼ変わらず。
4月は昨年対比25%減、5月は昨年対比30%減予想。

2.緊急事態宣言が解除され1週間が経ちましたが、コロナ前に比べ車両の稼働率は?
〇株式会社ウインローダー
多摩地域の小売店などがオープンして少しずつ戻ってきてますが昨年対比(月によって稼働率が違いますので)85%程度です。
〇株式会社エコランド、株式会社サンウエイ
こちらはもう少し時間が掛かりそうです。昨年対比60%程度です。

3.減った場合→コロナ前にもどりつつありますか?
7月には戻りそうな感じはありますが第二波などによると思います。
Amazonの八王子への梱包材の保管を扱ってますがそれは150%程度です。

富士運輸株式会社(奈良県)

1.荷主を分散しているおかげで、荷物が減少したところもあれば増えたところもあります。当社としては今こそ投資のタイミングとして全国8カ所の営業所新設の前倒しや50人から100人の増員を図っています。そのため稼働率自体は3~5%減少していますが、車両も増えていることから売上的には増えています。
2.特に変化はありません。
経営的には若干厳しくなりますが、今こそ投資のタイミングとして、整備工場やバックヤードの拡充にも着手しています。また採用にも力を入れていますが、やはりコロナの影響でしょうか若年層の応募が増えました。

株式会社中田商事(三重県)

1.4月度は約マイナス15%
5月度はマイナス30%
2.6月度の稼働は、5月度よりもいいかなぁって感じです。
3.戻って来るのは7月以降かなぁ?戻るにしてもゆっくりだと思います。

三重県北部の運送事業者C社(三重県)

前年比で回答させて頂きます。
稼働率は落ちてます。
3月期は、例年繁忙期ですので前年比からは売り上げ・稼働率は下がってますが、1月期とほぼ横ばいです。4月期は例年閑散期にあたります。売り上げ・稼働率共に幸いですが前年比横ばいだと思います。5月期が運休日が多く稼働率・売り上げともに激減です。2割減予測です。
因みに弊社は25日締めです。6月期は予測ですが、3割~4割落ちそうです。
ドライバーの給与は月給制でみなし60時間の残業代を付与してますので、運休時には有給休暇を使用し前年比クリアしてます。
利益率は消費税増税後からは激減です。3月期は赤にして給与支払いしてます。解除後の方が酷いです。
売り上げの推移は消費増税後の10月、8.3%増、11月、9.8%減、12月、6.0%増、令和2年1月、7.9%減 2月、4.1%減 3月、11.5%減、4月、8.7%減です。実働率は1月、17.5%減 2月、7.7%減 3月、14%減 4月、10.5%減 5月、14.8%減です。全て前年同月比です。4月までは消費増税のあおりでありコロナの影響は5月からだと思います。利益は定年退職者や新卒採用等により人件費がかさみ、前述の通りほぼドライバーの給与は前年と横ばいを支払ってます。社屋、車両代金の返済もある為又、ドライバーの雇用維持のため利益はマイナスです。色々と解約・現金化して当座をしのいでいます。コロナの影響は今からです。セーフティーネットは売上減額も融資までは満たないこと、又、弊社の諸事情により出来ません。
5月は実働率以上に帰り荷が無い、または低運賃のため、さらに長距離幹線輸送が減りっていますので売り上げは激減です。6月はクライアント様の情報により実働率も、売り上げも減収予測です。

山梨県の運送事業者D社(山梨)

5~6月が影響のピークの見込みで30%減といったところでしょうか。車メーカーはかなり悪いですから、そこが一番影響を受けています。
戻るのは8月以降の見込みです。

柳澤運送有限会社(千葉県)

1.10%強減りました。
2.3.戻りつつありますが、完全ではありません。製造業の社長いわく、暫く難しいとの事でした。
コンビニ弁当は変わりなく稼働してます。
建築資材はやっと戻りつつあります。

福岡ロジテック株式会社(福岡県)

1.3月マイナス5% /4月プラス12% /5月マイナス9%
2.売上比率 自車便15%・庸車便85%なので自車稼働は100%です。自車の仕事は困っていませんが全体の売上は減少傾向です。
3.5月中旬から6月中旬までが物流の底だと判断しています。

株式会社フコックス(東京都)

1.全社的には4月が20%減 5月 22%減 その内食品流通加工部門は4月 60%減 5月 58%減です。
2.とりあえず車両稼働は解除後回復しつつありますが、まだ10〜15%減というところで、専属協力会社を潰すわけには行かないので自社を休ませて対応してます。 今後はコロナ前からオリパラの影響で7〜9月位は首都圏の工事は止まる前提で予算は組んでいましたが、オリパラが延期になったからと言って直ぐにゼネコンも工事が取れるとは思えません。このまま低空飛行が続くと思われます。