株式会社花見台自動車はこのたび、1台積みスライドボデーの代名詞ともなっている「セフテーローダ」に新たな機構を盛り込んだ「セフテーローダ クロスオーバー」を開発した。 そもそもスライドボデー式車載車は、昭和47年に自動車修理業を営んでいた同社創業者能條健二氏が、納車引取りの業務を改善する為に開発した車両である。本来「セフテーローダ」とは、(株)花見台自動車の製品名であるが、今では車載車と言うより「セフテーローダ」と呼ぶことが一般的になるほど多くのユーザーに愛されている。 そのセフテーローダも時代と共に日々進化を遂げている。当初6トン車から始まった製造販売も、小型車用のみならず大型11トン用を開発。2台積みセフテーローダBigⅡも登場した。さらには荷台傾斜角度8.5°乗込角度4.5°の「セフテーローダスーパーローアングル・マークⅡ」、超低スロープ、グライドⅢシリーズと続き、最近では新普通免許対応GVW5t未満『セフテーローダⅡ』を発売するに至っている。 このたび同社が開発した「セフテーローダ クロスオーバー」は、4節リンクスライドという新しいリンク機構が採用されており、まったく新しい動作機構を持つ。この新機構については以下を参照していただきたいが、いずれにせよ今の時代にマッチした新しいアイデアで、 1台積みスライドボデー車に新風を巻き起こす。セフテーローダの攻勢が始まった。
まず新機構を紹介する前に、現在の1台積みスライドボデー式車載車のメリット・デメリットを知っていただきたい。 その多くは、車両以外は容易に積載できない。積載車両が後方に突出していない構造である。などの条件を満たすことにより「車載専用車」として登録されている。
文章で書いても今一つピンとこないかも知れないが、下の連続写真を見ればその機構を理解していただけるだろう。
ここまで解説してきたが、セフテーローダ クロスオーバーは「なるべく取り回しの良い(リアオーバーハングの短い)車両でも緩やかな傾斜で積載したい」というユーザーの求める声への花見台自動車のひとつの回答なのである。このクロスオーバーで採用された、新機構4節リンクスライドによって得られた効果は大きい。すでに前述したが、リアゲートレスにできることにより、ギリギリで搭載した車がリアゲートに接触して傷つかないか心配する必要がない。また、リアオーバーハングが短くなったことで、右左折時のテールの振り出しが少なくなったことも大きなメリットだ。とはいえ、これまでのセフテーローダが全てこのクロスオーバーに切り替わるわけではない。ユーザーのニーズはそれぞれなので、これまでのモデルはそのまま販売する。クロスオーバーはあくまでセフテーローダの新バリエーションなのである。
特に今回、開発・商品化する「セフテーローダ・クラスオーバー」は、自信作なので注目してほしいとの事。
1台積みスライドボデーのパイオニアである花見台自動車。2015年には他にも新製品を発表する予定だという。今度はどんな奇想天外なアイデアを盛り込むのか?今後も目を離せない。