5つの基本性能を進化させた新型クオン(Quon)発表
UDトラックス株式会社は、同社のフラッグシップ大型トラック「クオン」をフルモデルチェンジし、2017年4月11日に発表した。
新型「クオン」のコンセプトは、「人を想い、先を駆ける。」
“人を想う”技術で、より「使いやすく、クリーンに、安全に、多く、長く」のトラックに求められる5つの要素を高め、時代の“先を駆ける”次世代トラックとなった。
ハードウェアとソフトウェアの制御を「ESCOT-V」からさらに進化させ、正確で迅速なギアチェンジと燃費効率の良い走りを実現。素早く滑らかな変速は操作が負担とならず、ドライバーのストレス・疲労の軽減に貢献。シフトレバーは従来のH式からストレート式に変更し、よりシンプルで使いやすいデザインに。さらに、アクセルペダルの開閉操作で車体を揺らし、雪道・泥濘地からの脱出性能も向上した。
ステアリングホイールは運転疲労軽減に配慮した握りやすい形状に変更。さらに、マルチディスプレイの操作スイッチをステアリングホイールに設置。多くの機能や情報を簡単に操作することができ、ドライバーの視線や操作の動線を一本にすることで、安全運転にも貢献。また、前方車両との車間距離を自動で制御する「トラフィックアイクルーズ(車間距離制御装置)の設定などもこのステアリングホイールスイッチから操作が可能だ。
各種走行情報や一部LEDを採用したインジケーターを種類ごとに分類。より見やすく分かりやすい配置となった。ウォーニングの優先順位にも配慮し、重要度の高いものは上部に配置するなどゾーン分けして表示をする。さらに、中央のマルチディスプレイは、5インチのカラーディスプレイを使用。文字のサイズやレイアウトにも配慮し、視認性が向上した。
ブレーキはディスクブレーキを全車に採用。ブレーキペダルの動きに素早く反応し、積載時の下り坂等でも確実な制動性能を発揮する。さらに、ブレーキブレンディングやEBS(電子制御ブレーキシステム)など、複数のブレーキシステムを組み合わせることで、積荷にもドライバーにも優しい快適な制動感覚を実現している。
エンジンはクリーンでありながら馬力とトルクを更に向上させた「GH11エンジン」を搭載。新燃料噴射システムや燃料室形状変更などにより、平成28年排出ガス規制に適合するとともに、全車重量車燃費基準+5%を達成。低回転域から幅広い回転域で力強いトルクを発生させる。さらに、「ESCOT-VI」の素早いレスポンスによって省燃費運転を実現する。
車速60km/h以上で走行時に作動し、GPSを通じて一度走行した道路の勾配を車両が記憶する。次回同じ登降坂路を走行する際に、道路状況を先読みして車速・エンジン・回転数・補助ブレーキなどを自動制御し、高速走行・登降坂路での省燃費運転をサポート。
一定条件下で惰力走行中に自動で作動。惰力走行中の再加速による燃料消費をセーブすることで、省燃費運転をサポートする。
燃費効率の観点から、アクセルペダルを踏み込んでも一定以上の加速を制限するようにプログラムすることで、安定した走りを提供する。もし、加速が必要な場面があれば、スイッチ一つでECOモードがOFFに。車両本来の力強い加速を得ることができる。
一定時間走行することでシステムがドライバーの運転傾向を解析。総合評価点数とアイコン化された4つの評価項目をマルチディスプレイに表示。省燃費運転の観点から最適なアドバイスをする。さらに、「UDインフォメーションサービス」と連携し、「燃費コーチ」で算出された燃費情報を車両から受信。車両毎の燃費実績や運転評価を「省燃費レポート」として月次で提供する。
メインフレームは高張力鋼板を使用。さらに、フレーム断面の形状を最適化したことで、強度を維持しながら軽量化に成功し、CD(6×2)モデルで+200kg、CG(8×4)モデルで+100kg積載性能がアップした。
新エアサスペンションを採用して、6×2、6×4の荷台床面の高さ調整幅を拡大し、プラットホームを利用した荷役性を向上。中立位置から上方へ+140mmの調整幅を実現し、荷役環境に合わせた最適な高さ調整が可能になった。また、エアサスペンション車に左右の車高差を自動で調整する、「片荷調整機能」を搭載し、フォークリフトによる車両側方からの荷役性を向上させ、荷崩れ防止にも貢献する。
「防錆パック」・・・積雪地でも安心の防錆対策仕様。
「カスタムパック」・・・外装品にステンレス材を多用し、防錆性能を向上。
「格納ゲートパック」・・・多目的輸送にマッチした床下格納ゲートをパッケージ化。
「床強化パック」・・・床材にアピトンを使用し、重量物運搬やフォークリフト(1t積みまで)の乗り入れが可能。
多様な積荷への対応を可能とし、細部まで要望を実現する。
~~実用性を重視した装備を標準化した基本仕様~~
温度管理により輸送品質を向上させ、雑貨から青果物まで幅広い輸送に対応。さらに、サブエンジン式にして、燃費向上と積載性向上を両立させた直結式冷凍機を搭載し、優れた経済性を発揮。
カメラとミリ波レーダーで前方車両を検知、衝突する可能性を検知すると注意を促し、さらに追突の危険が高まると自動的に減速を行う。
カメラが走行車線と車両との位置関係を認識し、ふらつき状況からドライバーの集中度を推測。集中度が低下したと判断した場合に警告音で注意を促す。
カーブや滑りやすい路面などで車両の不安定な状態をセンサーで検出すると、エンジン出力やブレーキ、タイヤへの制動力を制御し、車両の姿勢を安定させる。
カメラが左右の走行車線を検知し、60km/h以上で走行中にドライバーが意図せず走行車線から逸脱すると、警告灯とブザーで注意を促す。ブレーキ・ウィンカー使用時は作動しない。
ヘッドランプ(ロービーム)は省電力、かつ長寿命のLEDランプを使用。夜間の視認性を高め、安全運転をサポートする。
ディスクブレーキは放熱性と耐フェード性に優れ、積載時に長い下り坂を走行する際でも、確かな制動性能を発揮する。また、耐浸水性にも優れており、悪条件下でも安定した制動力が期待できる。
新型Quonのキャブには防錆鋼板や樹脂部品を採用し、シャーシはカチオン塗装や樹脂化などを行って防錆性能を確保。AdBlue®タンクには樹脂製を採用し、フレームには耐塩水性の塗料を使用することで徹底的に防錆性能を高め、長寿命化を促進。
また、フロントリッドに日常点検に必要な機器を集中的に配置し、点検の効率を高めるとともに、定期交換部品を削減。ディファレンシャルギアオイルは、耐熱性が高く劣化しにくい高品質の化学合成油を採用することで、ロングインターバル化を実現。
UD専用ツールで最適なメンテナンスを実施する「UD純正整備」、整備契約「UD-TRUST」、最新のエレマティクスサービス「UDインフォメーションサービス」などを含む包括的な「UDエクストラマイルサポート」を提供することで、車両を最良の状態に維持し、稼働率を向上させる。
コールセンターに常駐しているコーディネーターが、全国各地の専門のサービススタッフと連携して万一のトラブルの時も迅速にサポート。
車両から送信されるデータを分析し、不調の際にいち早く対応する「安心稼働サポート」や、車両に搭載された「燃費コーチ」との連動で、燃費実績や運転評価を月次で提供する「省燃費レポート」で省燃費運転と稼働率向上を支援する。
車名・型式 |
車軸配列 |
車両総重量 |
エンジン |
最高出力 kW(PS |
最大トルク N/m(kg/m) |
トランス ミッション |
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