ついに出揃った。トラックメーカー4社がポスト新長期排ガス規制適合のトラックが続々と発表した。
世界最高水準の厳しい規制といわれるポスト新長期規制に対応するため、
各社とも安全性能・環境性能・経済性能など、最新の技術を盛り込んだトラックとなっている。
全社、大型トラックには、「尿素SCRシステム+DPF」といった後処理装置を組み合わせ
NOxとPMの大幅削減を行なっている。
車両価格が100万円前後アップ、総重量も200kg程度増加するといわれるこの規制対応。
ただし各社もランニングコストを抑えるため、低燃費性能にこだわり、商品力を高めたとしている。
また、無駄な加減速を抑えた独自の機械式オートマにもこだわりを持っている。
日野自動車株式会社は大型トラック「日野プロフィア」と「日野レンジャー」の一部の車型を改良し、平成21年(ポスト新長期)排出ガス規制に適合させ、さらに燃費性能の向上により平成27年度燃費基準達成車の設定を大幅に拡大した。
さらに進化したクリーンディーゼルシステムを開発、「AIR LOOP (エア ループ)」と名づけた。
新型プロフィア(4月20日発表、7月1日より発売開始)
◆東京地区希望小売価格(代表車型) | |
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日野プロフィア LKG-FR1EXBG GVW25t 標準キャブ・リヤエアサス ウイングバン |
17,363,850円 (税抜き 16,537,000円) |
新型レンジャー GVW12トンを超える車型
(4月20日発表、7月1日より発売開始)
◆東京地区希望小売価格(代表車型) | |
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日野レンジャー LKG-FE7JLAG GVW14t 標準キャブ・リヤエアサス アルミバン |
9,270,450円 (税抜き 8,829,000円) |
UDトラックス株式会社は、大型トラック「Quon:クオン」を平成21年排出ガス規制(ポスト新長期規制)に適合させ、カーゴ系は平成22年4月20日より、トラクタ系は平成22年5月10日より全国一斉に発売した。 UDトラックスの先進性を示すUD AdvantageとUDトラックスの信頼性を示すUD Solutionをコンセプトにしている。
新型クオン(4月20日発表・発売開始)
◆発売価格(代表車型) | |
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QUON LKG-CD5ZA GVW25t 後軸エアサス パーフェクトクオンウィング |
20,640,900円 (税抜き 19,658,000円) |
新型コンドルPK GVW8トンクラス
(2010年年央に発売開始予定)
大型トラック「クオン」とのファミリーアイデンティティーと中型クラストラックとしての特性を表現した新しいキャブデザインを採用(フルモデルチェンジ)すると共に環境性能と燃費性能を両立させた新開発のGH7エンジンを搭載する。また、同社が世界で初めて自動車への搭載を実現させた低公害デバイスの尿素SCRシステムも一新して採用する予定。
三菱ふそうトラック・バス株式会社は、「環境性能」、「経済性能」、「安全性能」をまとめあげた大型トラック「新型スーパーグレート」を4月22日より発売した。
また中型トラック「新型ファイター」大型仕様車を6月9日から発売開始する。
新型スーパーグレート(4月22日発表・発売開始)
◆東京地区希望小売価格(代表車型) | |
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スーパーグレート LKG-FU54VZ GVW25t リヤエアサス |
16,952,250円 |
新型ファイター大型仕様車
(5月21日発表、6月9日より発売開始)
◆東京地区希望小売価格(代表車型) | |
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ファイター SKG-FK72FY GVW11t 6MT ショートキャブ |
7,858,200円 |
ファイター LKG-FK65FZ GVW14.5t 6MT リアエアサス フルキャブ |
8,890,350円 |
いすゞ自動車株式会社は、大型トラック「ギガ」と中型トラック「フォワード」の一部車型を改良し、平成21・22年排出ガス規制(ポスト新長期規制)に適合させ、5月17日より発売開始した。
開発コンセプトである「See Technology(シー・テクノロジー)」に基づき、安全技術(Safety)、経済技術(Economy)、環境技術(Environment)の3つの基本性能を柱に開発を行なった。
新型ギガ(5月17日発表・発売開始)
◆東京地区希望小売価格(代表車型) | |
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ギガ LKG-CYL77A GVW25t G-CARGO |
21,042,000円 (税抜き 20,040,000円) |
新型フォワード(5月17日発表・発売開始)
◆東京地区希望小売価格(代表車型) | |
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フォワード LKG-FTR90T2 GVW14.5t キャブ付シャシ・フルキャブ・エアサスペンション |
8,918,700円 (税抜き 8,494,000円) |
尿素SCRシステムを取り入れている、ポスト新長期適合トラックには「AdBlue(アドブルー)に限る」という尿素水溶液タンクが付いているのが特長だ。この尿素水溶液「AdBlue」の販売会社である日星産業株式会社の方に話を伺った。
アドブルーをNOxに噴射することで、排出ガス中のNOxは無害な窒素と水に分解される。 もともとアンモニアが同様の性質を持っているが、アンモニアを車両に積むのは危険なので、代わりとなる尿素水を車両に積み、化学反応によってNOxを無害な水と窒素に分解するという仕組みだ。燃費に関してもエンジンの燃焼効率をあげることができ、低燃費となるとされている。
大型車は55リットル、中型車は33リットルの尿素水タンクがついており、一般的に燃料の5%程度を消費するとされているという。(諸条件によって変動はある)。
日星産業株式会社はアドブルーメーカーである日産化学工業株式会社の関係会社であり、企業規模にあった様々な供給システムを展開している
トラックメーカーは、ポスト新長期規制適合車より、新・ISO方式ホイールを採用している。
おおよそ、車両総重量12トン以上の19.5インチ、22.5インチホイール装着車に全面採用されている。
ISO方式とは、世界中の大型トラック・バスの95%に採用されている国際標準のホイール取付け方式である。
項目 | 新・ISO方式 | JIS方式 | 新・ISO方式ホイールの 取扱注意点 |
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19.5インチ | 22.5インチ | 19.5インチ | 22.5インチ | |||
ホイール | ボルト穴数 | 8穴 | 10穴 | 8穴 | 8穴 | 19.5インチのホイールでは、ボルト穴数は同じだが、PCDの差が小さいため、誤装着に注意が必要。ホイールラベルにて要確認。 タイヤバランサーに取り付ける際、ISO方式対応のアダプターが必要になる場合がある。 |
PCD | 275mm | 335mm | 285mm | 285mm | ||
ボルト・ナット | ボルトサイズ ねじの方向 |
M22 左右輪:右ねじ |
前輪M24、後輪M20、M30 右輪:右ねじ 左輪:左ねじ |
左車輪も右ねじとなる。 | ||
ホイールナット (使用ソケット) |
平面座 座金(ワッシャー)付き ツーピース・1種類(33mm) |
球面座 ワンピース・6種類 (41mm/21mm) |
ホイールの取り付け・取り外しには、33mmのソケットが必要となる。 | |||
作業 (リム組み、 リム外し) |
作業方法の変更 | 裏面より (一部のアルミホイールは 表面より) |
表面より | 裏面より (一部のアルミホイールは表面より) |
19.5インチのホイールでは、リムからタイヤを脱着する方向が従来と反対になる。 (一部のアルミホイールは除く) |
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ホイール形状 (リム形状) |
ハンプあり(バルブ穴側) (一部のアルミホイールは ハンプなし) |
ハンプなし | 空気充てん時、タイヤビード部がホイールハンプのバルブ部に引っかかり、空気注入出来ない場合がある。その場合は、タイヤビード部リムから一旦落として再度空気を注入する。手作業でのリム外し作業では、新たな冶具(ビードブレーカーなど)が必要とる場合もある。 | |||
作業 (車両への 取付け、取外し) |
後輪ダブルタイヤ | 1つのナットで共締め | インナー、アウターナットで それぞれ締め付け |
ホイールの取り外し時は必ずジャッキアップするなど安全を確保すること。 | ||
エンジンオイルなどの 潤滑剤の塗布部位 |
ホイールとの当たり面には、塗布しないようにすること。潤滑剤は車両の取扱説明書に記載されている油脂を使用すること。 | |||||
ホイールのセンタリング | ハブインロー | ホイール球面座 | ディスクホイールをハブに取付ける際に、ホイールのハブへの固着を防止するため、ハブのはめ合い部(インロー部)にグリースを薄く塗布すること。 | |||
締付けトルク | 550~600N・m(55~60Kgf・m) | 輸入車を含む従来・ISO方式車両は、車種によって締付けトルクが異なる。取扱説明書や整備のマニュアルなどで確認すること。 | ||||
アルミホイールの 履き替え |
ボルト交換 | ボルトおよびナット交換 | ボルトは前輪用、後輪用、スチールホイール用、アルミホイール用があるので、適切なボルトに交換・整備すること。誤装着をすると十分な締付け力が確保できない場合がある。 |
今回ご紹介した企業
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