東京モーターショー2013の開催期間は2013年11月22日(金)より12月1日。
乗用車については各メディアで紹介されているので、今さらここで言うまでもないだろう。そこで当サイトでは、前回同様トラックや車体に限定した特集「働くくるまを見に行こう!」を組み実際に、トラックや車体はどこが見どころなのか?トラックシャシー4社の展示車輌も含めて紹介させていただいている。
ぜひ参考にしてもらいたい。
このページは、東京モーターショー2011におけるトラック関連の展示をレポートしたもの。東京モーターショー2013とどう違うのか比べてみるのも一興かも。
もちろんトラックに興味が無い人は素通りなのだろうが、それでも奥の方であれば「ココから先は関係ないや」と足も踏み入れてもらえない。素通りでも、目に留まるだけありがたい。「へぇ〜トラックも電気で動く時代なんだ。」と思ってもらえれば、しめたもんだし、土日にトラックが好きな子供が運転席に座って・・・なんてシーンも多く見られたことは、業界にとっては大変喜ばしいkとであった。
問題なのが屋外展示場への誘導だった。
ハッキリ言ってどこだか良く分からない。一般の人はまず見つけられなかっただろう。
会場は、そのトラックメーカーが集中する東ホール1のすぐ横にあり、日野自動車のブースの裏にあたる。日野自動車のブースにパリダカ仕様車を正面から見て、視線を右にズラせば屋外展示場の入り口になっていた。
詳細は以下をご覧いただきたいが、電動塵芥車やオールアルミのトレーラ(参考出品)など、次世代の物流を支える最新の車体が展示されていた。
物流・運送業のかたで、見過ごしてしまった方、以下が各メーカーの出展内容だ。ぜひ今後の参考にして欲しい。
トラック関連メーカー各社の出展ブース紹介
UDトラックス
ボルボグループとなったUDトラックスからは、今や当たり前となった尿素SCRの先駆けとなったQuon(クオン)を筆頭に、最新の海外市場向け「Quon(クオン)」トラクタ、中型車「コンドルMK」ウイングが出展された。
【チェックポイント】
今回展示された車輌、エンジンはすべて市販されているもの。コンセプトカーや参考出品はない。まさに、今回のモーターショーのテーマと掲げた「This IS UD Trucks」だ。
それでも、クオンには最新の安全・省燃費装置が装備されており必見であった。
三菱ふそうトラック・バス
三菱ふそうトラック・バスの出品は、UDトラックスとは対照的にトラックはすべて参考出品となった。
小型ハイブリッドトラックキャンター エコ ハイブリッド(参考出品)
小型電気トラックキャンター E-CELL(キャンター イーセル)(参考出品)
大型ハイブリッドトラックスーパーグレート エコ ハイブリッド(参考出品)
【チェックポイント】
コンセプトカーと違い、参考出品は市販を念頭に置いた展示だけにその注目度は高かった。
中でも、小型電気トラックキャンター E-CELL(キャンター イーセル)は国内初公開となる小型電気トラックであり、100%電気で走行するトラックで、ベース車両は、車両総重量3.5トンの欧州向け小型トラック「キャンター」の3S13モデル。それに、リチウムイオンバッテリー(40kWh)とモーター(出力70kW、最大トルク300Nm)を搭載し、10時間(200V)の充電で、約120kmの走行を可能としている。
いすゞ自動車
いすゞのブースでひときわ目立つのは、正面に展示された「スミダM型バス」だった。この車輌は、昭和4年にいすゞの前身である石川島自動車製作所が製造された初の国産の乗合バス。
同車は国内に現存する実走可能な最古*の国産バスであり、経済産業省の「近代化産業遺産」にも認定されている。 (*いすゞ調べ)
【チェックポイント】
トラックに限定するのならば、一番のオススメはブース奥に展示された「T−NEXT」だ。
一見、車体部がモニターになっているディスプレイにように見えるが、れっきとしたコンセプトカーだ。将来の高速物流に対応した空力性能と安全性能を高次元で融合し、先進のITデバイスをインテグレートしたスタイリングだそうだ。こんなトラックが街中を疾走する。そんな未来を想像できる楽しい展示であった。
日野自動車
日野自動車のブースには、小型3台、大型1台、バス1台、パリダカ仕様1台の計4台が展示された。中でも、小型車はすべてEVかハイブリッド。完全に電気にシフトした展示内容となっていた。
【チェックポイント】
デュトロハイブリッドも展示されたが、すでに市販されているモデルだけにここでは割愛しよう。注目はデュトロプラグインハイブリッド(参考出品)だった。外部の電源から充電できるため、バッテリーに直接充電できる。これによりモーターでの走行距離を延ばすことが可能になり、 従来のハイブリッド車よりも、さらに燃費を向上させることができるという。参考出品だけに市販が期待される。
また、ブースの奥に行くと見慣れない大型ダンプが1台。これはインドネシアに輸出されている超大型ダンプHINO700シリーズダンプ。参考出品、輸出仕様車だった。35トン積みで日本初公開の輸出専用車であったという。
ボルボ
トラックの外車勢としては唯一の出展となったのはボルボトラックだ。世界の重量物輸送シーンで活躍するボルボ・トラックのフラッグシップモデルであるボルボFHの日本向け6×4トラクター(後輪2軸駆動6×4トラクター)で、第5輪荷重25t仕様車とボルボFM(近距離・地場離輸送から長距離輸送まで幅広く活躍するオールラウンダー)が展示された。
【チェックポイント】
参考出品車もなく、特に目新しさが感じられない・・・と思われるかもしれないが、そもそも国内におけるシェアはそれほど高くない外車のトラック。運送事業者でありながら、ボルボトラックを間近で見たことが無いという方もいるのでは? 実際ボルボFMの運転席に座ると、そのキャビンの広さに驚かされる。
また大きなモデルチェンジをしないというのも魅力のひとつだ。長年使用するトラックだけに、部品の共有化が図りやすく、メンテナンスコストの削減にもつながる。
屋外展示会場
日本自動車車体工業会(JABIA)
新明和工業株式会社
回転板式電動塵芥車「G−RXルートパッカーE3(イーキューブ)
【チェックポイント】
走行充電式にこだわった外部電源不要の電動塵芥車。実はこの車輌、以前当サイトで取材をさせていただいたことがある(詳細はここをクリック)。動作音は普通の会話と同程度の音量である60dB(デシベル)以下。本当に静かだ。
今回のモーターショーには3社から電動塵芥車が出展されていて、それぞれ特徴がある。
新明和工業株式会社
3輪ダンプトラック
【チェックポイント】
同社の創立60周年を記念して復元された3輪ダンプトラック。シャシーにはマツダのロゴ、車体には川西のプレートが・・・? 実はこの車輌、現在の新明和工業特装車製造・販売の旧呼称である川西モーターサービス時代のもの。昭和40年代に実際に広島県で活躍していた車輌を、完全にレストアした逸品だ。
現存する車輌を探すこと1年。ここまで復元するのに1年。まさに努力と技術の結晶だ。しかも、驚くべきは「動く」のだ。モーターショーではさすがに走行は出来なかったが、エンジンはかけてもらえた。レトロなエンジンサウンドに酔いしれたかたのいるだろう。
日本トレクス株式会社
ダンプアップ機構付20フィートコンテナセミトレーラ
【チェックポイント】
日本トレクスの出展車輌は、屋外展示場の一番右端。このダンプアップ機構付20フィートコンテナセミトレーラの場合、最大傾斜角45度までの到達時間は約60秒。1本ものの油圧シリンダー機構は必見であった。
日本トレクス株式会社
アルミブロックバントレーラ
【チェックポイント】
アルミブロックで作られた車体は高い耐久性と軽量化を実現している。ひとくちにアルミといっても実はこれが大変な技術。大型ともなれば「ねじれ」に強い構造が要求される。
また、この展示車輌には床面の搬送装置(CARGO FLOOR)が装備されていて、床面が動くことによって奥の荷物が手前まで運ばれてくるのだ。
日本フルハーフ株式会社
20・40・45 マルチコンテナシャシ(参考出品)
【チェックポイント】
これまで20・40のコンテナトレーラはあったが、20・40・45フィートのコンテナトレーラは初めてだ。
後部のエクステンション部は油圧のリモコンで前後に稼動する仕組み。実際どのように積載されるかは、事前に撮影された積載状態を「@Pad」で見せてくれた。
日本フルハーフ株式会社
次世代アルミトレーラ(参考出品)
【チェックポイント】
メインフレームとフロアをアルミ化した新構造で、基準内トレーラでの超軽量&高積載を実現した次世代アルミトレーラ。アルミだけに、溶接と「ねじれ」による剥離には大変な苦労があったという。従来に比べると約2トン軽量化されているだけに今後に期待される。
株式会社タダノ
スライドキャリア「エススライド ハイブリッド仕様」
【チェックポイント】
業界初のスライドキャリヤ ハイブリッド仕様。電動モードとPTOモード、2つの動力モードを備え、電動モードはCO2排出ゼロ、燃料消費ゼロ、低騒音作業が可能。
つまりは「電動」だ。ブースでは実際に動かすデモも行われていて、来場者はその静かさにビックリしていた。
今回のモーターショーには2社から電動式積載車が展示されていた。
株式会社パブコ
中型「EXEO(エクシオ)」ウイング
【チェックポイント】
大型車で300kg軽量化された「EXEO(エクシオ)」ウイング。その中型車がいよいよ登場だ。床材には「竹」が使われているのが特徴だ。軽量化による燃費の向上、積載量アップ、サンドイッチパネルによる高剛性、竹による環境配慮がされていた。
極東開発工業株式会社
電動式塵芥収集車「eパッカー」
【チェックポイント】
圧縮装置を駆動させる動力源として充電式のバッテリーシステムを搭載。同社独自の電力制御システムにより、エンジンを止めた状態でも収集・排出作業が行える。作業中のCO2削減や騒音の低減に貢献する。
今回のモーターショーには3社から電動塵芥車が出展されていて、それぞれ特徴がある。
極東開発工業株式会社
電動併用式1台積車輌運搬車「ツインドライブ・フラトップZero」
【チェックポイント】
通常の1台積み積載車輌と同様にPTOでエンジンの動力を使用して荷台を昇降させる方法の他、三相200V電源でも荷台を昇降させることができる。
今回のモーターショーには2社から電動式積載車が展示されていた。
富士重工業株式会社
電動塵芥車「フジマイティ エレクトラ」
【チェックポイント】
コストアップを抑えるために総電圧72VのEV用鉛電池を採用した電動塵芥車。電池の充電は通常電源(単相200。機種により単相100V/200V)からのプラグイン。電池切れの際にはPTOでも作業が可能だ。
今回のモーターショーには3社から電動塵芥車が出展されていて、それぞれ特徴がある。
須河車体株式会社
ボトルカー「ラクニー8」
【チェックポイント】
見どころは2つ。
ひとつはガスショックアシスト式バランスドアの採用で開閉が容易となった点。
そして電動式集中ロックだ。特に展示車に装着されたドア本体のロック装置への給電は、昭和飛行機工業株式会社の協力を得て開発された薄型非接触給電システム(参考出品)が装備されていた。
まだまだあるぞ、トラック関連メーカーの出展
矢崎総業
次世代ドライブレコーダー「YAZAC−EYE3T」 テレマティクス(YAZAC−TLM2)
ブースは東6ホール、ホンダの右端の前。
メインは乗用車の部品であったが、トラック関連も最新のドライブレコーダーとテレマティクスを展示。
日産車体株式会社
アトラスF24 リチウムイオンバッテリー式冷凍車(参考出品)
いわゆる電動冷凍車。エンジンを止めてもバッテリーで冷凍機を稼動させる。
荷室に入れるようになっていて、中で説明してくれた。