とてもインパクトのある自社ブランド名「物流魂」を掲げるメーカーがある。株式会社マルイチ(本社:神奈川県厚木市、代表取締役:兵頭 忠司氏)だ。同社は40年以上にわたり輸送用緩衝材(ロジボード・ロールマット等)、トラックシート、カゴ台車用タイヤストッパーなどのオリジナル製品を「純国内生産」「高品質主義」「機能美」にこだわりながら低価格で提供している。
さらに「ものづくりの原点は現場にある」という経営理念を持つ同社の製品には、ユーザーのニーズに応えるべくプラスアルファのアイデアが盛り込まれている。
通常、従来からある製品にプラスアルファを加えれば価格はその分高くなる。高品質であればなおさらだ。しかしながら物流の現場をよく知る同社では、「消耗品であるがゆえに安くなくてはならない。徹底的に無駄を省いた設計を行いながら、プラスアルファとデザイン性を両立させ、機能美を追求している。」と言い、多様なユーザーの要望に応えるストライクな製品を開発している。 当然ながら荷物事故に対する安全対策にも抜かりはない。数多くある同社製品の中でも、特に目にとまった3つの製品について紹介しよう。
最初に紹介するのが、物流魂ブランドとして販売している荷崩れ防止ベルト「ケースロック」だ。近年、環境対策として産業廃棄物排出抑制などストレッチフィルムの使用を減らす傾向にある。その代替品として繰り返し使える荷崩れ防止ベルトが登場した。この「ケースロック」には他の製品にはない特徴がある。天板を付けたことにより「かぶせて巻く」のだ。これにより一人の作業で30秒の簡単装着を可能とした。(特許出願中)またフィルムのように、荷解きの際にカッターナイフで切る必要がないため、うっかり荷物を傷つける心配がない。
圧倒的に燃費が良く、イージードライブ可能なハイブリッドの開発
この金具は、厚さ3ミリメートルと薄いため、荷物が接触しても損傷させることがない。
また、バックル部の1か所だけ角の丸みを大きくすることで本体の向きがわかるようになっている。そのため装着時にケースロックを開いた際に手に取る方向を間違うことなく、スムーズな装着をサポートする。
さらに、表面にはアルマイト加工が施してあり、耐食性・耐摩耗性に優れている。
帯へのこだわり
作業性(1)
作業性(2)
次に、同じく物流魂ブランドで販売している「ロジボード」シリーズだ。輸送時に良く使われている緩衝スペーサーであるが、肉抜きを施した独自の設計によって、耐衝撃性能はそのままで、軽量化と低価格を実現している。厚さが異なる3種類(5cm・4cm・2cm)のモデルの他にサブロク版、さらに安全対策を施した厚さ8cmタイプがラインナップされている。特に8cmタイプはロジボードSという製品名が付けられ、側面にスリットを設けることによりさらなる軽量化を実現。またそのスリットに手が入るため、作業時に緩衝材を押さえる時など、荷物に指を挟まれて怪我をするというリスクからも解放される。
安全対策
機能性
高性能・低コスト
最後に紹介するのが、台車用タイヤストッパーの「キャスパー」だ。サイズはS・M・Lを用意している。一般的に、台車はキャスター部分にブレーキ装置が付いているものが多いが、かけ忘れや故障などによる事故のリスクがある。そこでキャスターの固定をより安全確実にする製品としてキャスターストッパーが登場した。平坦な場所に限らず、テールゲートリフト上や傾斜地での台車使用時にも役立つ。この「キャスパー」においても、同社の製品にはプラスアルファのアイデアが盛り込まれている。 特にカゴ台車に対応するLサイズでは、特許を取得したオープンリング方式(紐が付いており、引っ張ることによってタイヤから外すことができる)を採用し、ワンタッチでの取り外しを可能とした。
作業性を兼ね備えた安全設計
※オープンリング方式は特許取得済
S・M・Lサイズを用意
オープンリング方式を採用しているのはLサイズのみであるが、S・Mのサイズであっても極薄のスリット式により、接地時の安全性と切れ込みを入れたことによ
る装着・脱着を簡素化している。