(公社)全日本トラック協会(星野良三会長)は2015年10月1日、石川県金沢市の石川県立音楽堂で第20回全国トラック運送事業者大会を開催した。
同大会は北陸信越ブロックトラック協会(小林和男会長/新潟県トラック協会会長)並びに石川県トラック協会(谷本義治会長)を中心として運営され、全国のトラック運送事業者約1,400人が参加した。
大会の全体会議では、まずは開催地ブロックを代表して北陸信越ブロックトラック協会 (公社)新潟県トラック協会会長 小林 和男氏が挨拶。次いで(公社)全日本トラック協会会長 星野良三氏による挨拶ののち、議長団が選出された。全体会議はここで一旦中断、2つの「分科会」に分かれコーディネーター・パネラーともに事業者というパネルディスカッションが行われ後、株式会社加賀屋 代表取締役相談役 小田 禎彦氏による記念講演、大会決議、国土交通省自動車局 藤井 直樹氏、石川県知事 谷本 正憲氏による来賓挨拶、次回大会開催地ブロック協会会長挨拶、ガンバローコールと続き、盛会のうち閉会となった。
(公社)新潟県トラック協会会長 小林 和男氏
星野会長は冒頭、前日に今年で13回目を迎えるトラックの森記念植樹式を石川県森林公園内で行われ、桜・もみじなどの植樹、今後も地球温暖化防止や環境保全に業界として貢献していきたいと述べた。
そののち、我が国の経済、アベノミクス効果によって円安の定着と企業功績の回復、ベースアップによる
個人消費の回復などにより久方ぶりに活況を呈することが期待されているとし、トラック運送業界においても、ドライバー不足に加えて、労働時間規制強化による長距離輸送
からの徹底など諸課題はあるが、運賃の高止まり傾向、軽油価格の低下による利益率の改善が見込まれるとした。
さらに先頃、中央と47都道府県に行政や有力荷主の参画を得て、長時間労働の縮減に向け、
「トラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会」の設置され、トラックのドライバーの長時間
労働削減の取り組みが開始された。荷主の協力得ながら手持ち時間の削減方策や付帯業務の有償化方策等長時間労働の縮減に向けて、
トラック運送業界の総力を挙げて取り組んで参りたいと言及した。
また昨今発生している自然災害における緊急物資輸送にも触れ、ますますの緊急輸送体制の確立が急務であるとした。
議長 (公社)新潟県トラック協会会長 小林 和男氏
副議長 (公社)長野県トラック協会会長 岩下 勝美氏 (一社)富山県トラック協会会長 綿貫 勝介氏
(一社)石川県トラック協会会長 谷本 義治氏
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<コーディネーター> 高柳 勝二氏 |
<パネリスト> 樋口 達男氏 |
<パネリスト> 田島 秀克氏 |
<パネリスト> 並河 憲人氏 |
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<コーディネーター> 日本PMI コンサルティング株式会社 主席コンサルタント 小坂 真弘氏 |
<パネリスト> 株式会社アクティ― 代表取締役社長 喜多 甚一氏 |
<パネリスト> 三重執鬼株式会社 代表取締役 寺田 忍氏 |
<パネリスト> 有限会社皆実運送 代表取締役社長 木下 景太氏 |
石川県は七尾市にある和倉温泉。そこに100年続く老舗旅館がある。それこそが加賀屋である。同旅館は「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」にて34年連続で総合1位を獲得しており、いわば日本一の旅館であると言っても過言ではない。
小田 禎彦氏は1962年に株式会社加賀屋に入社し、専務・代表取締役社長・代表取締役会長を経て2014年に現職に就いた。
出迎えのときから、 お帰りになるその時まで、 小さな気配り、心配りを重ねる。 その加賀屋のおもてなしの心を語った。
私たちトラック運送事業者は、我が国の国民生活、産業活動を物流面で支えるとともに、災害時には被災者に向けた救援物資輸送の担い手として、重要な使命を果たすべく、日夜懸命に努力している。
しかしながら、少子高齢化に伴う若年労働者不足が顕在化し、人材の確保が急務となる一方、多くの事業者が再生産可能な運賃収受ができず、厳しい事業経営を強いられている。
先頃、中央と47都道府県に行政や有力荷主の参画を得て、長時間労働の縮減に向け、「トラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会」の設置が図られたが、手持ち時間の削減方策や付帯業務の有償化方策等長時間労働の縮減に向けて、トラック運送業界の総力を挙げて、取り組んでいかなければならない。
我々は、今後とも、交通事故防止や環境保全に率先して取り組み、社会との共生を図りながら、トラック運送業界の叡智と総力を結集して、これら当面する諸課題に勇気と英断をもって果敢に対応していかなければならない。
このため、本日、第20回全国トラック運送事業者大会にあたり、我々は、本大会の総意をもって、以下のとおり決議する。
右、決議する。
平成ニ十七年十月一日
第二十回全国トラック運送事業者大会