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運送事業者レポート

運送事業者、荷主における新たな取り組みや成功事例にスポットをあてたインタビュー記事

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【第133回】    株式会社丸総(静岡県榛原郡吉田町)

関東から関西までの混載リレー輸送とエリア共配を構築

 2020年4月から2025年3月までの第2次5カ年計画を推進中なのが丸総(本社・静岡県吉田町、橋口智規社長)。5カ年計画スタートから1年半が過ぎたが、ここまで順調に計画を遂行している。丸総は1971年の設立で、現在は吉田町の本社と整備事業部、静岡県内では清水物流センター(静岡市清水区)、牧之原物流センター(牧之原市)がある。また、関東圏では関東営業所(川崎市川崎区)、川崎配送センター(同)、神奈川物流センター(同)、首都圏配送センター(千葉県浦安市)、中部圏では中京営業所(名古屋市緑区)がある。2021年3月期の売上高は28億円で、従業員数は170人(うち正社員は140人)、保有車両数は100台である。同社は関西でのM&Aも計画しており、関東から関西までの幹線リレー輸送と各エリアの小口共配を一体化した物流プラットフォームの構築を進め、2025年3月期で売上高50億円、経常利益率6%を目指している。

 第2次5カ年計画で構想しているビジネスモデルを簡単に表現すると、「地元静岡を中心に関東から関西にわたる混載幹線リレー輸送と主要都市圏内における小口共同配送網の有機的結合」といえる。その柱となるのは、①静岡を中心に北関東から関西までの大型トラック幹線輸送、②北関東~南関東~静岡~中京~関西までの間を結ぶMELリレー輸送配送便(MELはマルソー・エキスプレス・ライン)、③各拠点を核にしたエリア小口共同配送(共同配送の車両でリレー輸送の荷物も集荷する)である。このような物流プラットフォームを構築しつつ5カ年計画を達成するという計画を推進している。このうち大型トラック幹線輸送では、静岡を中心に北関東や関西まで自車両70台、協力会社の車両40台でロットのまとまった荷物を毎日輸送している。医薬品や日用雑貨、飲料水などがベースカーゴで関東や関西からは帰荷を積んで帰るというのが基本パターンだ。

 この幹線輸送はこれまで西の方は中部までだった。だが、できるだけ早く関西にも進出する計画なので、現在は中京営業所が関西からの帰荷の開拓営業をしており、それに伴って幹線輸送を関西まで延伸した。また、同社は第2種貨物利用運送事業として海運、鉄道、航空も行っている。そのうち海運利用では御前崎港から博多港、清水港から大分港に医薬品や飲料などを輸送している。また最近、取扱量が増加しているのが引越荷物という。これは大手引越事業者から依頼されている仕事だが、引越荷物は海運だけでなく鉄道でもコンテナに混載して運ぶ量が増えている。「労働時間短縮の関係から長距離の引越輸送は中継輸送化が進んでいる」(橋口社長)からだ。そのため引越荷物の取り扱いは増加傾向にある。鉄道利用はJR貨物の西浜松駅と静岡貨物駅からコンテナに積替えて全国に輸送している。「海運、鉄道ともシーズン前の在庫移動などメーカー系の荷物が多い」(同)という。

 丸総では関東から関西までのMELリレー輸送配送便とエリア小口共同配送を一体化したサービス体制を「トリプル・ウィン・ルート」と呼んでいるが、そのキーワードは「定期化、リレー化、混載化」(橋口社長)である。「定期化」は250㎞以上の幹線輸送で、拘束時間が13時間以内で回れる定期化した運行という。「リレー化」は、2人のドライバーが交代して1台のトラックに乗務し、北関東エリア、南関東エリア、静岡エリア、中部エリア、関西エリアというテリトリー間をまたぐ輸送である。「混載化」は各営業テリトリー内で拠点を核に2t車や4t車で小口共同配送を行う。この配送車両が配送終了後には荷物を集荷し、その荷物を混載化して「定期化」や「リレー化」した車両で他のテリトリーに運ぶ、という構想である。このようにエリア共配とテリトリー間の輸送を結合した関東から関西までのサービス体制が「トリプル・ウィン・ルート」である。

 拠点整備・配置計画はどうか。地元の静岡県には現在、本社の他に清水物流センターと牧之原物流センターがあるが、さらに来期末までに静岡に危険物倉庫を竣工する計画を進めている。「付加価値の高い荷物の取り扱い比率を高めていく」(橋口社長)という考えだ。同社では、「中期経営計画の大きな柱として2024年3月までに完成する計画で関東ビジョン2024を掲げている」(同)。同ビジョンに沿って浦安の拠点と神奈川の3拠点間の横持ち輸送で共配荷物を増やしたり、新規の配送荷物の開拓を進めている。中部地区における小口エリア配送はまだできていないので、「東海市に新たな拠点を来年中に竣工する予定で進めている」(同)。さらに関西圏では「関西で小口エリア配送を行っていて企業譲渡を考えている事業者を対象にM&Aを考えている。様々なネットワークを使って昨年から情報収集を進めており良い案件があればすぐにでもM&Aをする予定だ」(同)。

<物流ジャーナリスト 森田富士夫>

(写真提供:丸総)