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富士経済、電動トラック・バス等の世界市場を予測

2012年8月17日(金)

LEV(低速電気自動車)と電動トラック・バスの世界市場を予測
−拡大続く中国の電動バス、山東省のLEV市場に注目−

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区)は、2012年2月-5月にかけて電動トラック・バス等の現状を調査し、その将来を予測した。


<電動トラック・バス>

2011年 451億円
2012年見込 580億円
2015年予測 978億円
2020年予測 1,900億円

HV、PHV、EV、FCVのトラック(小型、中型、大型)およびバス(観光バス、路線バス)を対象とする。 日本や欧米はHVトラックが中心である。欧州の市場は経済危機の影響を受けて縮小している。北米は、HVトラックを中心とした導入が比較的好調である。一方、中国はHVバス・EVバスが中心となっている。電動トラックよりも単価の高い電動バスの導入が進んでいるため金額市場は急拡大している。

日本では、11年の東日本大震災の影響が一部あったものの、平成22年新排出ガス規制対応車の増加および各社の車両性能向上により、販売台数は増加しつつある。15年頃まではまだHVトラック・バスが中心の市場であると予測する。12年は、引き続き新規制対応車の増加や、震災や新規制で伸び幅が縮小した11年の反動で市場は拡大する見込みである。15年以降は、各社の開発の効果や充電インフラの普及により、EVやPHVのトラック・バスも本格的な普及期に入ると予想される。HVも環境意識の高まりや技術開発の進歩などから引き続き増加すると見られ、全体市場拡大の一因となると考えられる。

電動トラック市場は現時点では日米欧などの先進国が中心であるが、トラック全体の市場が拡大している東南アジアなどの新興国においても、徐々にHVやEVなど電動化が始まると考えられる。

<世界の電動トラック・バスメーカー>

日野自動車は、11年7月発売の小型HVトラック「DUTRO Hybrid」が好調で、11年は実績を拡大している。ハイブリッドシステムの性能向上や平成27年度燃費基準達成などの他、ポスト新長期規制にも適合しており販売台数を伸ばした。

Daimlerグループは、11年、欧州での販売低迷や三菱ふそうトラック・バスの国内販売台数の落ち込みなどを受け、前年実績を下回った。12年春にはポスト新長期規制対応のHVトラック新型「Canter Eco Hybrid」で再び実績拡大が見込まれる。またDaimlerグループでは、三菱ふそうトラック・バスがハイブリッド技術のグローバル開発拠点となっており、大型HVトラックや小型EVトラックなどの開発も進めている。長距離輸送用としては「SUPERGREAT Eco Hybrid」が世界初の大型HVトラックである。今後実証実験などを経てEVより早い時期の量産化を目指している。EVトラックについては、小型トラック「Canter E-CELL」(欧州仕様車)を発表しており、バッテリー価格や効率、航続距離、積載量などのバランスを見ながら、将来的には小規模量産を目指す。

いすゞ自動車は、小型HVトラック「ELF Hybrid」を国内で販売している。11年は、東日本大震災による直接的な被害はなかったものの、サプライチェーン寸断などにより生産が落ち込み、前年実績を下回った。12年には、新たに路線バスのHVタイプを発売する予定である。小型トラック同様パラレルHV方式を採用し、発進や停止の回数が多い都市部の路線バス向けを考えている。

中国のBYD AUTOは、EVバス「K9」を発売しており、10年には長沙市(湖南省)と1,000台の販売契約を交わし、12年前半には100台導入する予定である。 スエーデンのAB Volvo Trucksは、同社で初めてパラレル方式を採用したHVトラック「Volvo FE Hybrid」の限定生産を11年6月から開始しており、11年から13年の間、欧州市場で販売する。 中国では新エネルギーバスの導入が進んでおり、多くの地元ローカルメーカーがHVやEVなどの開発に参入している。主要メーカーとして、安凱客車(Ankai)、福田汽車(Futian)、曙光汽車(AG Automotive)、第一汽車(FAW)、などが挙げられる。 その他、Navistar(米国)、Alexander Dennis(英国)、New Flyer(カナダ)、Gillig Corporation(米国)、MAN Truck & Bus(ドイツ)などが参入している。