改善基準告示によりドライバーの拘束時間などの順守が厳しく求められている。また改正労基法で所定外労働に対する賃金の割増率も高くなった。このような経営条件の下では、昔からトラック運送業界で広く採用されていた歩合制賃金は、もはや現状に合わない賃金体系になっている。賃金だけではなく様ざまなコストの把握に「時間」の概念がなければ健全な経営はできない、といっても良いだろう。
これは同時に、運賃・料金にも時間の概念が必要であることを意味している。運賃が高いか安いかは、単に金額自体だけではなく時間単価に換算して判断しなければならない。つまり、運賃・料金とコスト管理や賃金体系は一体なのである。運賃なら運賃、賃金なら賃金、あるいは車両費なら車両費と、それぞれを個別に考えていては根本的な解決にはならない。経営判断の基準になる重要なキーワードは「時間」という概念なのである。 |