来年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、競技場や選手の宿泊施設の建設などが進められているが、セメントを使う土木系の基礎工事はすでに終わり、バラセメント輸送は一段落したようだ。現在の建築は昔のような鉄筋コンクリートではなく、工場で製造した部材を現場で組み立てるような工法になっているため、基礎工事が終わるとセメント需要は少なくなる。このような中でバラセメント輸送の大手であるフコックス(本社・東京都江東区、鎮目隆雄社長)は、特殊車両通行許可の申請手続きにかかるコストを運賃とは別に収受するような取り組みを進めている。同社は1936年設立で、長年にわたってバラセメント輸送を主に行ってきた。だが、セメント協会の資料によると、国内のセメント需要のピークは1990年度で8628万tだった。それに対して2017年度では4187万tと、ピーク時の半分以下になっている。
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