労働集約型産業のトラック運送業では、サービス品質を構成する要素は2つある。一つは作業の「仕組み」で、もう一つはそれを実践する「人」である。人と車両と荷物をいかに効率的に組み合わせるかという、仕組みを構築するのは経営者の重要な仕事である。また、その業務を遂行する人材の教育・育成も経営者の仕事である。
サービス品質を構成するこの人と仕組みという2つの要素は、相互に密接な関係にある。仕組みに沿って実際に業務を行うのは人であり、どんなに優れた仕組みでも、その作業を遂行する人がついてこれなければ機能しない。そこで人材育成の第一は、自社の業務を遂行するためのスキルアップとなる。さらに第二段階では、スキルを超えて、自分で物事を判断できる自立した社員に育成することである。このようなことから道前運送(愛媛県西条市、森川公社長)では、自社の作業の仕組みと有機的に関連させた従業員教育を行っている。 |