地方では地元発の荷物は限られてくる。つまり営業エリアの市場が小さい。そこで運送100%の業務内容では限界があると考え、運送を核とした業務の多角化を図って利益率重視の経営に転換した事業者がいる。このような問題意識をもって多角化を進めてきたのはヒッサン(栃木県大田原市、鈴木秀男社長)。同社は1986年の創立で同年12月に一般区域免許(当時)を取得した。
当初はトラック運送が100%であった。だが、運送業務100%では適正利益の確保ができなくなるという認識にいたり、業務の多角化に着手したのはかなり早い時期だった。「平成5年(1993年)ごろから多角化の必要性を感じるようになった」(鈴木秀男社長)という。このような考え方に至った背景にはバブル経済の崩壊があるようだ。「バブルが崩壊して輸送量が減少し、輸送量がバブルピーク時より15〜20年前に戻ると想定するとトラック台数の過剰は明らか」(鈴木社長)と考えた。 |