地方の中小トラック運送事業者は地場産業とともに歩んできたケースが多い。とくに社歴の古い事業者は地場産業との関係が深い。だが、それだけに地場産業の盛衰に影響されやすいともいえる。
群馬県桐生市は古くから繊維の産地として知られている。1993年(昭和8年)創業の東群運送(本社・桐生市、齋藤佳代子社長)は、桐生駅の構内で通運事業からスタート。長年にわたって両毛地域の地場産業である繊維製品を国内外に運んできた。その後、複数の地元事業者との戦時統合などを経て、戦後はそれぞれ元の会社として分離独立。同社は1949年(昭和24年)に現在の法人を設立して今日に至っている。そのため原反、帯、浴衣、その他を地元の機屋などから集荷し、それを大手特積み事業者に委託して全国に運ぶ。あるいは大手特積み事業者の集荷車に積みきれないような場合には、特積み事業者の営業所まで持ち込む、といった仕事をしてきた。
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