中小事業者が独自性を打ち出すには、第3者に認定や認証をしてもらう客観的品質によってブランド力を持つことも1つの戦略である。吉田運輸(埼玉県所沢市、吉田清子社長)は保有車両台数17台の典型的な中小トラック事業者だが、2012年には経営革新計画承認(埼玉県知事)、2013年にはIT経営実践認定企業(経済産業省)に認定された。環境への取り組みでも2015年度、2016年度と2年連続で東京都の貨物輸送評価制度で3星を取得している。
同社が客観的品質を重視するのは、社会や取引先からの評価を高め、会社としての付加価値をつけるためである。吉田運輸は営業的にはスポット需要を重視し、チャーターの荷物+スポットの荷物の組み合わせで車両回転率を高めるような経営をしている。そして社内的には携帯用メーリングリストで情報の共有化を図り、取引先に対しては「ドライバー案内シート」や「完了報告」などのサービスを行っている。
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