労働時間の短縮で地方のトラック運送事業者は対応に苦慮している。フェリー利用や中継輸送システムの導入などを進めている事業者もいるが、長距離輸送から撤退する事業者もいる。そのような中で、逆に長距離輸送にシフトする戦略に転換したのは肥前通運(本社・佐賀県武雄市、松尾弘隆社長)だ。「県内の事業者が中距離、近距離輸送にシフトする中で、当社は逆転の発想で10年ぐらい前から長距離輸送へのシフトを図った」(西英勝専務)のである。同社の長距離輸送における特徴は2マン運行である。2マン運行は30数年前から行っており、以前は佐賀〜中部でも2マンだった。現在では採算面などから佐賀〜中部は1マン運行にしたが、佐賀〜首都圏は現在でも2マンで運行し安全の徹底を図っている。安全管理や労働時間短縮の面からみれば2マン運行は良いだろうが、はたして採算が取れるのか? というのは誰しもが抱く率直な疑問だろうと思われる。
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