労働時間短縮は運送業界の大きなテーマである。だが現実はといえば改善基準告示を順守するために日々格闘しているのが大方の実態であろう。そこでデジタコをベースに車載器に運転時間などが表示できてドライバーにも分かり、事務所でもリアルで状況を把握できるシステムを開発・導入しているのが菱木運送(千葉県八街市、菱木博一社長)だ。システム開発の出発点は「安心して経営したい」(菱木社長)というもの。ドライバーは管理者の指示通りに運行しようとしても、思わぬ渋滞や長い待機時間、積込みや荷卸しの荷役時間などで予定通りにいかないことが多い。それに対して帰社後のデータに基づく指摘や指導では遅いこともある。そこでリアルで労働時間などを把握することができ、即時に時間調整などができるようにしたのが同社のシステムである。このシステムをメーカーと協力しながら約10年をかけて段階的に研究・開発してきた。
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