社長が思い描くあるべき会社像と全社員の認識が同じという会社など存在しない。良い会社とそうでない会社の違いは、社長の考えや会社の理念、方向性をどれだけの社員が共有できているかで判断されるのではないだろうか。認識を共有できる社員の割合の問題である。カワキタエクスプレス(三重県亀山市、川北辰実社長)は、5年前の2013年に会社のナンバー2とナンバー3が辞め、ベテラン社員も8人ぐらい退社してしまった。その6年前の2007年には現在の所在地に本社を移し、倉庫と事務所を新設していた。だが、人員不足でトラックを稼働させることができないこともあって、売上高はピーク時の7割程度まで落ち込んでしまったのである。もちろん様ざまな要因はあろうが、1番の理由は「当たり前の会社」(川北社長)を目指そうとしていた社長と、幹部をはじめとする何人かのベテラン社員の人たちとの、認識のギャップだったようである。
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