地方では新規荷主の開拓がなかなか難しい。荷主企業の数が限られるし、どの荷主にも長年にわたって取引している既存事業者がいる。地元の事業者とバッティングしないで荷主が困っている仕事を請け、さらにトラックという経営資源の稼働効率を上げることで新規の仕事ができれば収益性が向上する。このような観点から、ウィング車に取り外し可能なスタンションを設けることで原木輸送を可能にし、2015年6月から本格稼働しているのが丸憲運輸(青森県上北郡東北町、原田憲一社長)。同社では、ウィング車で仙台まで空車で行き、ドライ商品を地元に運んでいた。ほとんどが片荷輸送で稼働効率が悪かったが、ウィング車を一部改造し(架装費用約55万円)、往路は原木輸送ができるようにして生産性を向上した。それから約3年が経った今年4月からは、木材チップも運べるようにしたウィング車で、新たにチップ(往路)とドライ商品(復路)の輸送も開始した。
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