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運送事業者レポート

運送事業者、荷主における新たな取り組みや成功事例にスポットをあてたインタビュー記事

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【第160回】    株式会社ライフサポート・エガワ(東京都足立区)

CO2排出可視化で菓子共同配送のサービス向上

 コンビニエンスストア向けの菓子の共同配送事業を全国的に展開しているライフサポート・エガワ(本社・東京都足立区、江川哲生社長)は、昨年12月、「令和5年度物流パートナーシップ優良事業者表彰」で、国土交通省優良事業者表彰における部門賞の「物流DX・標準化表彰」を受賞した。代表申請者はライフサポート・エガワ(以下LSE)で、共同申請者は菓子問屋の高山とTEN共配会議参加企業(12社)である。これは独自のCO2可視化サービスでCO2排出量削減効果の見える化を実現した取り組みが評価されたもの。同社は2年前の2021年度にも同表彰で「物流構造改革表彰」を受賞している。この時は、コンビニエンスストア向けの全国共同配送の仕組みによって環境負荷を削減した点が評価された。2年前はコンビニエンスストアへの菓子の共同配送というスキームが評価され、今回はさらに同スキームにおける一そうのCO2削減効果が認められたことになる。

 LSEは1962年に江川運送店として設立された。2000年には現社名に商号を変更し、さらに2012年にはホールディングスを設立して事業部門を子会社化している。ホールディングスの下に、主たる事業会社としてはライフサポート・エガワ(東京)とライフサポート・エガワ東北がある。その他に、関連会社としてエルエスファクトリー、クリエイト江川がある。関東エリアと東北エリアに輸送サービスセンターや3PL事業所を持ち、LSE東京とLSE東北を合わせたグループの保有車両数(2023年7月期)は416台で、内訳は大型車73台、8t車48台、4t車237台、2t車58台。グループ従業員数(同)は正社員740人と臨時雇用要員472人、合わせて1212人である。 売上高(同)は約146億円。取扱商品別の売上比率は、菓子60%、加工食品20%、酒類10%で、残りの10%は雑貨やその他となっている。

 とくにセブン-イレブンに納品される菓子の取扱シェアは高く、セブン-イレブンの店舗で販売している「菓子の70%から80%ぐらいは当社で配送しています」(橘川誠取締役専務執行役員・経営企画本部長兼営業推進本部長)という。だが、このセブン-イレブンの物流センターへの配送も従来は、LSEが路線事業者を使ったりしていた。LSEが取り次いで、路線事業者が菓子メーカー各社から集荷し、各路線事業者の路線便で当該地域の営業所に運ばれ、路線事業者の各営業所からセブン-イレブンの物流センターに納入する。多数の菓子メーカーからそれぞれ集荷して幹線輸送された菓子は、路線事業者の配送担当営業所で納品する各物流センターごとに仕分けられて納品される。路線事業者の配送を担当する営業所は、いわばクロスドックセンターのようになっていた。しかも路線事業者も1社だけではないので納品車両も多く、それに伴ってCO2排出量も多かった。

 そこでLSEでは各菓子メーカーからミルクランで集荷するようにした。菓子メーカーからの集荷時点で荷物は納品先センター単位にされていて、同社のDCセンター(埼玉県川口市)とハブセンター(東京都足立区)に運び、DCセンター(ハブセンター)からは各メーカーから集荷した菓子をセブン-イレブンの全国の物流センターに共同配送する。発地集約型共同配送である。この発地集約型共同配送では、菓子メーカーと問屋と物流事業者の連携が不可欠だ。そこで菓子問屋の高山とデータ連携して物量情報を共有するようにした。高山が荷物量の調整をしている。各物流センターへの納品車両が少なくなるのでCO2排出量も削減できる。一方、商品を受け取る物流センター側でもバラバラに納品されるのではなく、商品ごとにグロス納品されるので作業効率が向上する。このようなことから「センター側では専用バースを確保してくれています」(橘川専務)という。

 この取り組みによるCO2排出の年間削減量は6万4361㌧と試算され、LSEは2021年度のグリーン物流パートナーシップ優良事業者表彰の「物流構造改善表彰」を受賞した。このような実績を踏まえて2023年度にLSEが取り組んだのは、燃費法に基づき自車両と傭車すべての車両1台ごとに「走行距離と積載率から、積み合せた荷物量に応じた荷主ごとのCO2排出量を按分する」(橘川専務)というCO2排出量の可視化とそのデータのフィードバックである。このサービスは、「LSE可視化ツール」とZero Board社(システムのサービス名も同じ)のシステムが協同した独自のもので、同社によると削減効果を実数としてフィードバックするサービスは業界初という。このCO2排出量の可視化サービスと排出量の削減で、2023年度の「物流DX・標準化表彰」を受賞したのである。LSEではさらに、ゼロエミッションに向けた取り組みを推進していく方針だ。

<物流ジャーナリスト 森田富士夫>