建設現場で生コンクリートを圧送するために使用されるコンクリートポンプ車は、現在、生コンクリートを圧送する装置を車両のエンジンから取り出す動力で駆動させている。今回、極東開発が開発した「ツインドライブピストンクリート」では、エンジンによる駆動に加えて、車体に電動モーターを搭載することで、電力を利用して装置を駆動させることができる(「2wayパワー方式」)。その結果、コンクリート打設作業中にエンジンを停止することができるため、CO2の排出がゼロ、騒音は従来に比べて約5dB低減されるという。
鹿島は、本製品の企画・立案を極東開発とともに進めてきた。極東開発では、本機種を2010年4月26日から正式発売する予定。
1.主な特長(両社発表による)
■「2wayパワー方式」
「ツインドライブピストンクリート」は、車体に電動モーターを搭載することで、建設現場の電力を利用することを可能にした。これにより、生コンクリート圧送装置の動力源として、エンジン、もしくは、電動モーターを選択することができる(「2wayパワー方式」)。電動モーターを選択した場合は、エンジンを停止して、コンクリート打設作業を行うことができる。
■CO2排出量がゼロ、騒音も低減
コンクリート打設作業中のCO2の排出がない(*1)。また、作業中に発生する騒音も、約5dB低減される。(*2)
*1 打設作業に電動モーターを使用した場合の圧送装置の駆動にかかるCO2排出量であり、使用電力の発電過程でのCO2排出量は含まれていない。
*2 車両前方7メートルでの測定値。
2.今後の展望
鹿島は、施工中の鹿島旧本社跡地で進めている(仮称)元赤坂Kプロジェクト建設工事で、「ツインドライブピストンクリート」を活用したほか、稼働中の大型プロジェクトでの導入を検討している。現場で、同製品を積極的に活用することで、建設現場におけるCO2発生量の削減に貢献して行きたい考え。
極東開発工業は、バッテリーで圧縮装置を駆動させる電動ごみ収集車「eパッカー」(2010年1月発売)や、計量装置が付いた脱着ボデー車「スケールフックロール」(2009年4月発売)等の環境に配慮した製品の開発に注力している。
3.主な諸元
(型式)PY100−26−SEM
(最大吐出量)105u/h(9B仕様)
(最大吐出圧力)8.5MPa(8B仕様)
(ブーム地上高)25.8m
(架装シャシ)GVW22トン車
(発売開始)2010年4月26日
4.価格
87,150千円(税込)
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