いすゞ、NGVトラックへのバイオメタン充填実証に参加
2025年9月17日(水)
いすゞ自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長COO:南真介、以下「いすゞ」)は、株式会社ルネッサンス・エナジー・リサーチ(本社:京都府京都市、社長:岡田治、以下「RER」)が9月3日に大阪府泉佐野市内(泉南市信達六尾付近)にて実施した、国内初となる小型充填機を用いたバイオメタンの車両充填実証に参加した。
本実証では、樹皮や廃油など利用率が低い、あるいは利用されていないバイオマスをメタン発酵させて得たバイオガスから、RER独自の分離膜技術によりCO2を分離し、高純度なバイオメタン(メタン濃度約90%)を生成。このバイオメタンを小型ガス充填機で圧縮し、いすゞの小型トラック「エルフCNG車」に充填した。その結果、エンジン始動および走行を問題なく行い、バイオメタンが自動車燃料として実用可能であることを改めて確認した。
RERは、バイオガスを活用した発電システムの開発・実証に取り組むとともに、自動車燃料としての地産地消利用を提案している。バイオメタンを車両に充填する際、高圧ガス保安法に適合する大型の充填機を使用している実例はあるが、地産地消で充填速度を要さないケースにおいては、今回用いた小型充填機も有用と考えられる。廃棄物処理事業者等、事業者自らが比較的安価な小型充填機を設置し、ごみ処理と燃料供給の運用を一体化することも容易となる。その結果、資源循環とエネルギー循環を両立するモデルの構築につながると期待される。
いすゞは国内で唯一、NGV(天然ガス車)トラックを量産・販売している自動車メーカー。環境負荷低減およびエネルギーセキュリティーの観点から、NGVの普及に取り組んできた。今回、量産車両であるエルフCNG車が実証に用いられたことは、商用車におけるカーボンニュートラル(CN)燃料導入の可能性を裏付ける重要な検証となった。