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ヤマト運輸、安全・エコナビゲーションシステム導入

2010年3月12日(金)


  システムイメージ図
〜パソコンレベルの高性能を実現した安全・エコナビゲーションシステム「See−T Navi」の開発および導入〜

  ヤマト運輸株式会社(本社:東京都中央区 代表取締役社長:木川 眞、以下ヤマト運輸)は、日本電気株式会社(本社:東京都港区 代表取締役社長:矢野 薫、以下NEC)をパートナーに開発した、独自の車載システム「See−T Navi(シーティーナビ)」を2010年3月より順次集配車両に搭載し、セールスドライバー(以下SD)がより安全で環境にやさしい運転ができるよう支援すると発表した。

  ヤマト運輸ではデジタルタコグラフの導入を検討きたが、社内情報システムとの融合などさらなる拡張性を視野に、高度道路交通システム(ITS)などのコアテクノロジーを有するNECをパートナーとして、独自の車載システムを開発することとした。

<名称について>
  今までアナログで指導・管理していたSDの運転操作を「データ化=見える化」することで、データをもとにした個人指導を実施。やさしい運転を浸透させ、危険運転の防止とCO2の削減に努めるという。また、運転面に留まらず、SDの業務全般を支援するというねらいや展望から、
「見える=SEE」 という言葉と、

Safety(安全性)
Ecology(環境保護)
Economy(経済的)
Transport(輸送)
Navigation system(指示システム) の頭文字を取り、

名称を「See−T Navi(シーティーナビ)」とした。

<構成要素 >
「See−T Navi」は大きく4つの要素で構成されている。

(1) 車載機
CPU搭載のディスプレイには、Bluetooth・無線LAN機能を搭載。タッチパネルを採用することで、優れた操作性を実現した。国土交通省から認可されたデジタルタコグラフとドライブレコーダー機能を一体化している。
法定三要素(車速、距離、時間)の取得・記録ほか、急発進・急加速などを音声でSDに警告したり、燃費情報の提供などを行う。

(2) SD用ソフト
SDが運転日報の出力などの日常業務を行うほか、電子地図に駐車箇所や走行禁止エリア、危険エリアを登録したり、車載機で収集したデータの閲覧ができる。

(3) 管理用ソフト
本社、支社、主管支店・支店の管理担当者が、管下車両の前日までの運転実績データを【車両/個人/事業所】などの項目別で閲覧・分析し、指導することができる。

(4) データセンター
ヤマトグループのヤマトシステム開発(株)のデータセンターにて、登録したイベント情報や運行データを管理する。

<1次フェーズの特長と機能>
(1) 作業効率の向上 日常運行に付随する作業や管理業務をシステムに登録
(2) 地球環境への配慮 エコドライブの精度を高め、車両からのCO2排出量を削減
(3) 運転者への安全支援 安全集配ルートマップのデジタル化
(4) 運転履歴の管理 運転状況をデジタルデータ化して蓄積

<2次フェーズ以降の展望>
  「See−T Navi」は拡張性を持たせて開発しており、ソフトウェアや周辺機器を増設するだけで、気象情報や渋滞情報を公共機関へ提供したり、車に搭載した冷凍・冷蔵庫のきめ細かな温度管理も可能となる。
  また、ヤマト運輸の基幹システムである「次世代NEKO システム」(※)と連携し、荷物を集荷した時点で配送データを先送り。配達担当店の電子地図上にお届け先を表示して、SDの集配を支援する。この仕組みを使って、詳細なお届け時間を事前に電子メールなどで告知することも可能に。宅急便はさらに便利で快適なサービスに進化する。ほかにも、ユーザーからの集荷依頼データを伝送し、車載機につないだプリンターから送り状を発行するなどを想定している。

※ 「次世代NEKOシステム」…ヤマト運輸の情報システムの名称。宅急便サービスを飛躍的に向上させるべく、2010 年に刷新。

<導入スケジュール(予定) >
2010年3月末までに 集配車両  6,000台
2010年度末までに 集配車両  26,000台(全集配車両32,000台に配備完了)

<投資額>
一次フェーズのシステム開発および全集配車両配備に係る費用 約65億円