日本フルハーフ、ISOコンテナデータセンターを開発。IT関連展示会で大盛況
2011年6月10日(金)
このたび日本フルハーフ株式会社(本社・神奈川県厚木市社長:比企能信)は、ISOコンテナデータセンターを開発し、データセンター、サーバー・ネットワークなど主にネットワークコンピューティングに関連した展示会「インターロップ」に出展した。
会場では、東日本大震災後とあって、データセンターの在り方を模索するIT企業が多く来場していたが、その中でも同社の展示車はコンテナ内の見学を希望する人の長蛇の列ができるほど高い関心が寄せられていた。
同社は1967年から海上コンテナを製造しており、リーファー(温度管理)コンテナは1968年より製造している。生産量はピーク時で年間1万台生産した実績がある。このISO国際規格海上リーファーコンテナの製造技術と、これまでに培われた豊富な経験を活用し、ISOコンテナデータセンターの開発に着手した。
ISOコンテナの特徴は(1)高密閉・高断熱構造により、直接屋外設置が可能な他、幅広い環境に対応可能。(2)ISO規格により国内のみならず世界中どこへでも即時に運ぶことが可能。(3)建屋型データセンターと比べ設置コストが少なく、運用開始までの期間が3ヶ月程度に短縮できる。(4)空調効率が良いため、消費電力を削減できる。(5)耐久性に優れ、軽くて強いアルミ素材を採用。(6)同社製エアサスペンション型トレーラにより、移動時の振動を軽減する、などがある。
現在開発中の20フィートプロトタイプコンテナは、外気温度−20℃から+40℃の幅広い環境にて運用ができ、間接外気冷却を取り入れた新空調システムにより、業界トップクラスのPUE※1.1を達成する。加えて、コンテナの筐体のみではなく、空調・ラック(8台)・電源設備・監視機能などを一体化したモジュールとして、国産初のISOコンテナデータセンターの発売を目指す。
最近では、被災地で使用されている医療用拡張型コンテナ、中東に輸出され新鮮な野菜を人工的に供給するコンテナ野菜工場など、ISO規格コンテナを基軸にした機動性などが注目され、物流分野以外からの引き合いが増えている。
大震災以後、企業の事業継続計画対策、再構築が迫られており、またクラウドコンピューティングの需要も急増しつつある。電力不足対応のために社内情報システムをデータセンターに預けたいとする企業の需要や、データセンターが集中する首都圏から他の地域へ移設したいというリスク分散の需要に対応していくという。
※PUE = データセンター全体の消費電力 ÷ IT機器の消費電力