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運輸事業の振興の助成に関する法律案が成立

2011年8月25日(木)

177回通常国会にて審議中であった「運輸事業の振興の助成に関する法律案」が8月24日、参議院本会議で可決、成立された。
これにより、これまで曖昧であった運輸事業振興助成交付金が明確に位置づけられたものの、「都道府県は交付金を交付するよう努めなければならない。」「運輸事業振興助成交付金の額は総務省令・国土交通省令で定める額を基準とする」に留められ、交付を義務付けるものには至らなかった。

全文は下記の通りであるが、これを簡単に解釈すると

「軽油引取税を取ることは運送事業者の燃料代も上がり、輸送力の低下にもつながります。国民の生活が豊かであるためには輸送は大切だし地球温暖化対策の推進にもなるので、運輸事業者が頑張れるように助成します。軽油引取税は地方税で各都道府県に入るから、各都道府県はトラック協会に、運輸事業者が頑張れるように助成するための交付金を払うように努力してください。その金額は平成6年以降、毎年各都道府県がトラック協会に払った金額を基準とします。」

となる。10月1日に施行される予定。

これまで、地方行政の財政悪化などを理由に一部の都道府県では減額して交付されていた運輸事業振興助成交付金。この法案によって歯止めがかかるのか、今後の動向に注目したい。


<全文>

運輸事業の振興の助成に関する法律案( 衆第二七号)( 衆議院提出) 要旨
本法律案は、軽油引取税の税率について特例が設けられていることが軽油を燃料とする自動車を用いて行われる運輸事業に与える影響に鑑み、当該事業に係る費用の上昇の抑制及び輸送力の確保に資し、もって国民の生活の利便性の向上及び地球温暖化対策の推進に寄与するため、当分の間の措置として、当該事業の振興を助成するための措置について定めようとするものであり、その主な内容は次のとおりである。
一、運輸事業振興助成交付金の交付
1 都道府県は、軽油を燃料とする自動車を用いて行われる運輸事業を営む者を構成員とする一般社団法人であって当該都道府県の区域を単位とするもの及び当該都道府県の区域内において当該事業を営む地方公共団体に対し、当該事業の振興を助成するための交付金( 以下「運輸事業振興助成交付金」という。)を交付するよう努めなければならない。
2 1 の運輸事業振興助成交付金の額は、平成六年度以降に交付された運輸事業振興助成交付金の各年度における総額の水準が確保されることを基本として総務省令・国土交通省令で定めるところにより算定した額を基準とするものとする。
二、運輸事業振興助成交付金の使途
1 運輸事業振興助成交付金の交付を受けた者は、当該運輸事業振興助成交付金の額を、旅客又は貨物の輸送の安全の確保に関する事業、輸送サービスの改善に関する事業、環境対策及び地球温暖化対策の推進に関する事業その他の軽油を燃料とする自動車を用いて行われる運輸事業の振興に資する事業として政令で定めるものに充てなければならない。
2 運輸事業振興助成交付金の交付を受けた者は、都道府県の規則で定めるところにより、当該運輸事業振興助成交付金を充てて行った事業の実績その他の事項を都道府県知事に届け出なければならない。
三、財政上の措置
運輸事業振興助成交付金の交付に要する経費は、地方交付税法の定めるところにより、都道府県に交付すべき地方交付税の額の算定に用いる基準財政需要額に算入するものとする。
四、施行期日
この法律は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行する。