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日野、超低床・ウォークスルー小型EVトラック開発

2021年4月27日(火)

 日野自動車株式会社(本社:東京都日野市、社長:下義生)は、物流現場における使い勝手とカーボンフリーを両立する、ウォークスルーバン型の超低床・前輪駆動小型EVトラックを開発した。これからの「物流のラストワンマイル」に向けた新たな提案として、2022年初夏に「日野デュトロ Z(ズィー) EV」の名称で市場導入予定。

 昨今、労働人口の減少やeコマースの拡大などを背景に、荷物を生活者に届ける「物流のラストワンマイル」の現場では、ドライバー不足をはじめ、荷役作業等の配達業務の身体的負荷、荷物の増加や多様化への対応といった課題が深刻化している。今後、荷物量のさらなる増加も見込まれ、こうした課題への早急な対応に迫られている。また、カーボンニュートラルに向けた世界的な潮流から、物流事業者の環境経営へのニーズも高まっている。

 同社は、ユーザーの目線で現場の課題をとらえ、これらの困りごとを解決する「超低床・前輪駆動」のEVを開発した。従来の後輪駆動車と比べて床面地上高は半分の約400mmという超低床構造を実現し、荷役作業性や乗降性を向上させた。
 さらにウォークスルー構造で宅配現場での使い勝手の良さも追求し、航続距離は宅配用途に必要な100km以上を目指した。
 ウォークスルーバンに加えて、用途に応じた荷台を架装できるキャブシャシ型も設定し、ビジネス形態に合わせた架装を選ぶことができる。。
 また、現行の日野デュトロより一回り小さいサイズ感とすることで、住宅街を走行しやすいこと、普通免許で運転可能としている。コンパクトな車体ながら、必要な荷室容積を確保した。

 活躍するシーンとして、主に市街地での宅配を想定しており、さらに店舗内、倉庫内、空港等の大規模施設内での用途や、夜間・早朝の稼動等を期待しているという。

■下社長のコメント
「日野初の本格EVである日野デュトロ Z EVは、これからの物流のラストワンマイルに、自信を持ってご提案する"使えるEVトラック"です。宅配物流に焦点を当て、お客様の貴重なご意見を伺いながら完成させました。その答えが、使い勝手を追求した"超低床ウォークスルーEVバン"という形です。」

■特長
「物流のラストワンマイル」の現場での使い勝手を追求
 -超低床構造 : 荷役作業性・乗降性を大幅に向上、ドライバーの負担軽減。必要な荷室容量を確保
 -ウォークスルー構造 : ユーザーの声を反映し、現場での使い勝手を追求
 -普通免許で運転可能&EVならではのイージードライブで、ドライバー人材確保に貢献
 -市街地走行に必要な先進安全技術を装備
 -ゼロエミッションと高い静粛性で、周辺環境にも配慮

■新開発のEV専用シャシ
 今回開発したEVトラックは、ラストワンマイルに最適化した新開発EVシャシを採用。従来のエンジンとトランスミッションの代わりにコンパクトなモーターをキャブ下に搭載し、前輪を駆動する。バッテリーを荷台床下のフレームの内側に搭載し、それ以外の電動ユニットはほとんどキャブ下に収め、従来の後輪駆動車では実現困難だった超低床を実現させた。同社独自開発により電動車量産に必要な技術を手の内化し、今後の電動車開発に活かしていく。