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TOYO TIRE、トラック用スタッドレス「M939」発売

2023年7月3日(月)

 TOYO TIRE株式会社(本社:兵庫県伊丹市、社長:清水隆史)は、トラック・バス用スタッドレスタイヤ「M939(エムキュウサンキュウ)」を8月1日(火)より国内市場で発売する。発売サイズは全13サイズ、価格はオープン価格。

 国土交通省の調査※1によると、近年では1日あたりの降雪量が増加傾向にあり、短時間で大雪に見舞われる事例が多くなっている。昼夜を問わず全国各地を走行するトラック・バスのスタッドレスタイヤは、深雪や凍結した路面を捉える性能の強化が必要である。一方、年間の累計降雪量は減少傾向にあり、積雪の無いアスファルト路面での走行が増えることから、摩耗ライフの向上による使用期間の長期化も求められている。
※1: 国土交通省 第7回冬期道路交通確保対策検討委員会(2022年12月13日)資料より

 また、運輸・運送業界ではトラックドライバーや整備士などの確保が慢性的な課題となっており、2024年4月から施行予定の働き方改革関連法のもと、ドライバーの時間外労働時間の上限が引き下げられることから、車両メンテナンスにかける時間、費用、人員の効率化に向けた取り組みが進んでいく。これに伴い、タイヤについても交換やローテーション頻度の極小化に対するニーズが高まっている。

 同社は日本国内における昨今の気象の特長やトラック・バス業界を取り巻く社会課題を踏まえ、高いアイス性能と耐摩耗性能を両立し、低メンテナンス性を向上したスタッドレスタイヤ「M939」を開発した。タイヤトレッド面のブロック内にサイプ※2を高密度に配置したM939は、アイス路面でのグリップ力を確保している。また、大型のブロックを周方向に連結させることで路面接地時にブロックが過度に動かないようにし、偏摩耗の発生を抑制した。これによって、推定摩耗ライフは同社従来品(M929)比で7%向上、偏摩耗の発生を同45%低減した。さらに、積雪の無いアスファルト路面での走行も考慮し、転がり抵抗の低減も実現している。
※2: トレッド面に刻まれた細かい溝


■性能評価結果

<アイス制動性能 従来品比4%向上>
【テスト条件】
●評価サイズ:11R22.5
●場所:TOYO TIRE(株) 冬期タイヤテストコース
●使用車両:日野 プロフィア 、排気量:12.91L、駆動方式:2-D・4 ●リムサイズ 22.5X7.50
●空気圧:700kPa ●路面:氷盤路面
●評価方法:アイス路面において速度30km/hの直進走行からフルブレーキングし、停止するまで
 の制動距離を計測。試験回数は、5回以上で±1.5σ以内の有効なデータ3回以上の平均値。ABS有。


<耐摩耗性能 実車評価で推定摩耗ライフが従来品比7%向上>
【テスト条件】
●評価サイズ:11R22.5 16PR
●場所:和歌山県〜長野県の輸送(同一ユーザー同一路線、同型車で走行)
●走行距離: 32,383km ●使用車両:いすゞギガ、排気量:9.83L、車軸配列:2-D・4
●リムサイズ:22.5X7.50 ●空気圧:900kPa ●ローテーション:あり
●評価方法:リア駆動軸の総平均推定摩耗ライフを比較(取り外し残溝3.2mmで計算)

<耐偏摩耗性能 実車評価で偏摩耗の発生を従来品比45%低減>
【テスト条件】
●評価サイズ:11R22.5 16PR
●場所:中部地区(同一ユーザー同一路線、同型車で走行)
●走行距離:14,968.5km ●使用車両:日野 プロフィア、排気量:8.86L、車軸配列:2・2-D
●リムサイズ:22.5X7.50 ●空気圧:800kPa ●ローテーション:なし
●評価方法:フロント軸のタイヤ周方向に隣り合うブロック間での段差となって偏摩耗している部分
 の段差量を測定し比較

*上記テストの詳細デ−タは、タイヤ公正取引協議会に届け済。
*本テストの結果は同様な条件下であっても、必ずしも同じ結果が得られるとは限らない。