トラック情報サイト「トラックNEXT」

トラックNEXTは、トラックユーザーとトラック関連メーカーをつなぐトラック情報サイトです

ニュース詳細

日野、大型トラック「日野プロフィア」改良

2010年7月27日(火)

− 進化したクリ−ンディーゼルシステム『AIR LOOP』により環境性能と経済性を向上 −

 日野自動車株式会社(以下、日野)は大型トラック「日野プロフィア」のA09C型エンジン搭載車型を改良し、平成21年(ポスト新長期)排出ガス規制に適合させ、さらに燃費性能の向上により平成27年度燃費基準達成車の設定を大幅に拡大した。
 あわせて安全性能、快適性能など総合的な商品力を大幅に向上させて9月1日より発売を開始する。

 今回、世界最高水準の厳しい規制である平成21年(ポスト新長期)排出ガス規制に対応するにあたり、日野はさらに進化したクリーンディーゼルシステムを開発、「AIR LOOP(エア ループ)」と名づけた。

 今回の発売車型のうち、平成27年度燃費基準達成車は平成21年度税制改正における自動車重量税および自動車取得税の特例措置(エコカー減税)の対象となり、新車購入時の自動車重量税と自動車取得税が75%減税される。

1.新型「日野プロフィア(AO9Cエンジン搭載車型)」の主な特長
1)環境性能の進化
●既にPMについては平成21年(ポスト新長期)排出ガス規制をクリアできるレベルに到達していたが、このたび更なるエンジン本体の改良、およびDPRに新たに尿素SCRを組み合わせることにより、NOxを低減し平成21年(ポスト新長期)排出ガス規制に適合させた。

・新型燃焼室の採用などエンジン本体の改良によりNOxの低減と低燃費を両立。

・NOxを除去する高性能尿素SCRの最適制御により、少ない尿素水で大きなNOx低減効果を実現。

・排出ガス処理システムを可能な限りコンパクト化し、重量と設置スペースの増加をミニマムに抑制。

2)燃費性能の進化
●A09Cエンジンは軽量・コンパクト。8.9Lの小排気量でありながら低回転域でも十分な高トルクを発生するため低いエンジン回転数を常用でき、軽量さとあいまって低燃費走行を実現。
また、257kW(350PS)・235kW(320PS)・221kW(300PS)と3種類の出力をラインアップ、ニーズに合わせた最適な選択をすることで燃費向上に貢献する。

●新開発の軽量9速マニュアルトランスミッション、自動発進が可能となった新プロシフト12、さらに種々の省燃費運転支援装置により、一層の低燃費走行を可能にした。

・新開発の軽量9速マニュアルトランスミッションは大幅にワイドレンジ化。発進性の確保と高速巡航時の低回転化を両立し低燃費走行に貢献

・今回新たに自動発進・停止が可能となった新プロシフト12が最適な自動変速により、低燃費走行を実現。

・新エコランがコンピューター制御により、ラフなアクセルワークやアクセルの踏み込み過ぎなどの燃費に不利な運転を自動的に抑制。

・メーター内に3.5インチのフルカラ−液晶ディスプレイを設置し、さまざまな情報を表示。
このディスプレイに、商用車として世界で初めて、エコドライブを続けることによって成長する「エコツリー」を表示するなどドライバーに省燃費運転を動機付け。

3)安全性能の進化
●衝突被害を軽減する新PCS(プリクラッシュセーフティ・衝突被害軽減ブレーキシステム)と、VSC(ビークルスタビリティコントロール・車両安定制御システム)を全車に標準装備するなど、日野の先進セーフティテクノロジーを積極的に採用した。

・新PCSは制動力のアップにより万一の衝突時の速度低減能力を向上させたことに加え、世界で初めて、衝突後も車両停止まで制動を継続。また対向車検知機能を追加し正面衝突時の被害軽減にも対応。さらに車両ふらつき警報を新たに搭載し警報が続いた場合PCSの作動を早めるなど機能が向上。

・VSCは安定した走行を保持し車両のコントロールをサポート。カーブでの車線逸脱や横転、またトラクターではジャックナイフ現象の危険性を減少させ事故抑止に貢献。

・さらにEBS(電子制御ブレーキシステム)の標準装備、またドライバーモニターおよび車線逸脱警報装置のオプション設定など安全性の向上を推進。

・全車にエンジンリターダーを標準装備。

・トラクターはブレーキライニング幅を拡大、温度上昇を抑えライニング寿命を向上。

・ドライバー側ミラーの位置を改善、またアンダーミラーの追加により良好な視界を確保。

4)快適性能の進化
●室内をシックなブラック系で統一、落ち着いた空間とすることでドライバーの安全運転をサポート。また、オーバーヘッド部に装着する新室内モニターをオプション設定。新室内モニターはナビゲーションシステムをはじめ、左後側方視界補助カメラ、後方カメラ、バックアイカメラの表示に対応し、少ない視線移動で画面を確認できる。

5)その他
●国内で初めて(※注)トラクターにショートキャブ車型を新たに設定。トレーラー連結時の前回り半径を拡大するとともに軽量化を実現した。鉄道用31フィートコンテナ連結時にも全長を12m以内に収めることができ、また高積載タンクローリートレーラーにも最適。

●タンクローリー用車型では、6速マニュアルトランスミッションの採用(221kW(300PS)エンジン搭載車)や乗降ステップの軽量化により、特に重視される積載量を確保した。またクロスメンバーの形状を変更して、残油排出性を向上させる架装にも対応。

●トラクターはサイドガード、燃料タンク等のアルミ化、またカプラーオフセットの拡大等により従来車(平成17年排出ガス規制適合車)と同等の第5輪荷重を確保。

●ホイールの取り付け方式にISO方式を採用し点検整備性を向上させた。

※注 トラクターとして、ベッドスペースがなくフルキャブに対して長さが短いキャブを搭載した車型の設定は国内初(日野調べ)。