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三菱ふそう、歴代名車をレストア

2010年8月30日(月)


T95AD(クリックするとT210Cが表示されます)
〜40年ぶりに名車を復活〜

 三菱ふそうトラック・バス株式会社(以下:MFTBC)は、1968年7月に発売された「2代目キャンター(T90シリーズ)」を始め、計3車両をレストア(復元)したことを発表した。
 このレストア活動「ふそう名車復元プロジェクト」は、2008年4月に発足し、MFTBC製の歴代名車のうち大型トラック4台、中型トラック5台、小型トラック5台、小型バス1台の計15台を復元する活動。すでに、「2代目キャンター T91A (1970年式)」「2代目キャンター T95AD (1970年式)」「3代目キャンター T210C (1975年式)」の3台が完成しており、原型を蘇らせるのは元より、走行することが可能な状態まで仕上げているという。

 同プロジェクトは、「レストア技術の習得」「三菱ふそうの歴史を伝える」「活動を通じて三菱ふそうへの愛着を高め、モチベーションの向上を図る」を狙いに、開発、実験部門に所属する社員を中心に総勢29名の有志によって結成している。
 活動は、有志が休日に集まり、MFTBCの喜連川研究所と川崎工場の2箇所の作業場で行なっている。車両は長年喜連川研究所の野外で保管されていたため腐食が進んでいたが、その中でレストアの目標を動態保存と定め、部品レベルまで分解、整備を実施し、補修不能な部品や欠損していた部品は自らで製作し、走行可能な状態にまで完成させた。

 同プロジェクトの責任者である開発本部アイケ・ブーム副社長は、「今回のレストア車は、当社の技術革新の伝統を伝えるものであり、それは現在も効率性や環境性能を大切にする当社のトラックやバスに引き継がれています。レストア活動を通して、くるまの基本構造を学ぶことができると同時に、くるまの組み立てまでの開発を一貫して経験することで “ものづくり”の重要性をあらためて気付く機会となりました。IT技術が搭載されている現代のトラックの開発にも活動で培った経験を反映させ、クルマ創りの原点に沿った開発を目指していきます。」と述べている。

今回レストアした車両は合計3台だが、順次残りの車両も実施していく予定。

<レストア車一覧>
(1) T91A 小型トラック キャンター (1968年-1973まで生産)
1970年7月にT90シリーズとして発売を開始。キャンター誕生5年目にしてフルモデルチェンジした1台。2代目キャンターとして活躍したT91Aは、エンジンもディーゼル75馬力、ガソリン90馬力、95馬力を持ち合わせており、当時としてはクラス最高水準の加速性や荷台面積を実現した1台。

(2) T95AD 小型トラック キャンター (1968年-1973年まで生産)
T95ADはT90シリーズの一つで、荷台をダンプ架装した車両。T90シリーズ発売以降、シェアが倍に膨れ上がり、1972年5月には、キャンター累計生産台数が10万台を記録。

(3) T210C 小型トラック キャンター (1973年-1978年まで生産)
1975年にキャブのフロントパネルなど、各部を大幅にメジャーチェンジしたT200シリーズを発売。従来搭載のガソリンエンジンを5馬力向上させつつも、排出ガス対策のMCAシステムを採用。豊富な車種が好評であったキャンターに、ディーゼル3トン車を追加するとともに運ぶ荷物に合わせて、低床、高床、標準、長尺を設定し、用途に合わせた車づくりが注目を集めた。