ヤマト運輸株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:木川眞)は、このたび「羽田物流ターミナル」の着工を決定した。 2011年1月着工、2012年7月竣工、同年10月稼動開始の予定で、設備投資額は約542億円の見込み。
【施設の立地】
同ターミナルの新設地は、東京都大田区羽田旭町11番1となる。羽田空港に隣接し、かつ大井埠頭や首都高速との好アクセスで、陸海空にわたる最適な輸送機能を提供していく考え。
【施設の特徴】
(1)最新鋭マテリアルハンドリング(自動仕分け機)設備を備えた物流棟
・ 中核となる施設は、総延べ床面積約17万平米(約5万1千坪)、地上6階(縦114m、横240m、高さ48.6m ※一般的な12階建てのビルに相当)から成る物流棟。
・ 物流棟には複数のグループ会社が入居。
各社の機能を効果的に融合するために各フロア間を縦につなぐループ状の接続ベルトや、一つひとつの荷物の底面をスライドさせることで丁寧に仕分けする「大物仕分け機」、従来は機械化が困難だった非定型の小物用「小物仕分け機」など、最新鋭のマテリアルハンドリング機器を複合的に導入。また、マテリアルハンドリングのラインを左右対称の配置とし、時間帯や用途によって可変性の高い稼動を実現する新オペレーションを導入することで、仕分け効率を飛躍的に向上させる。
・ これらの設備により徹底的な自動化を図り、荷物処理能力を約50%(※)向上させるとともに、計200台を越えるトラックバース(トラックが着床する場所)との連携により、物流に関わる時間と移動距離を最小化。なお、自動化による、作業人員および労働時間の低減率は約44%(※)の見込み。
※同社従来型ターミナル比
・ ターミナル内の荷物の物量、作業状況を把握するシステムや、敷地内の車両を的確に誘導するシステムなど、最新のシステム導入を計画。
・ 国内外のユーザーに「次世代の物流ターミナル」を実感してもらうためのプレゼンテーション施設や、施設見学コースを配備する予定。
(2)地域貢献施設
・ ヤマトグループとしての企業理念にのっとり、ターミナル敷地内に「和の里パーク」(地域貢献ゾーン)を配置。
・ 和の里パーク内には里山を模した広場やフォーラム(体育館)、宅急便センターを配置し、地域の方々に自由に利用いただくとともに、待機児童のニーズに応える託児所や障がい者の雇用促進と自立支援を推進するスワンカフェ・ベーカリーを併設し、地域との共生と雇用創出を積極的に推進することで、地域社会への貢献を図る。
【新ターミナルが提供する主な機能】
ヤマトグループでは新ターミナルを通じて、日本を含むアジア全域における調達から生産、流通に至るシームレスで、効率的かつ安全・確実なネットワークの確立を目指す。
(1)「ダイレクト輸送機能」
海外から入荷した商品を国内の倉庫に在庫化することなく、到着後すみやかに通関、流通させる「ダイレクト輸送機能」により在庫拠点の圧縮を実現。物流コストの低減と効率化を提供。
(2)「グローバル・クロスドック機能」
海外から入荷した商品を小口仕分けし、素早く出荷する「グローバル・クロスドック機能」により、在庫回転率の向上と在庫量の極小化を実現。変化する市場へのスピーディな対応で、効率的な生産、販売態勢の確立を支援。
(3)「マルチ輸送機能」
国内外にわたる複雑な物流モデルに、多彩な輸送手段を提供する「マルチ輸送機能」で、宅急便はもちろんのこと、ニーズにあわせた陸海空にわたる最適な輸送モードを提供。
(4)「製品・流通加工機能」
国内外を問わず、物流工程に製品加工やキッティング、メンテナンスなどを付加する「製品・流通加工機能」により、エンドユーザーまでのスピーディで安全、確実な配達を実現。
【新ターミナルへ入居予定のグループ会社】
BIZ−ロジ事業 :
ヤマトロジスティクス(株)
ヤマトパッキングサービス(株)
ヤマトグローバルロジスティクスジャパン(株)
ヤマトマルチメンテナンスソリューションズ(株)
ヤマト包装技術研究所(株)
ホームコンビニエンス事業 :
ヤマトホームコンビニエンス(株)
e−ビジネス事業 :
ヤマトシステム開発(株)
フィナンシャル事業 :
ヤマトフィナンシャル(株)
デリバリー事業 :
ヤマト運輸(株)
ヤマトグローバルエキスプレス(株)
【複合的ソリューションの例】
(1)グローバルダイレクト・ソリューション
海外の工場、生産拠点から、ダイレクトに日本国内の店舗やユーザーの家へ商品を届けるソリューション。国内倉庫を必要とすることなく、海外からのスピーディな配送とコスト削減を実現。日本国内から海外への展開も可能。
(2)プレスト・ディストリビューション・ソリューション
国内外の工場、生産拠点から羽田物流ターミナルへ在庫を集中させることで、流通在庫の圧縮を図るとともに、マージ配送によるコスト削減を実現するソリューション。
(3) サードパーティーマニュファクチュアリング・ソリューション
物流戦略の設計、構築、保管、運用のみならず、キッティング、メンテナンス、リサイクル事業までを一括受注するソリューション。例えばターミナルで製品物流の最終加工を行い、カスタマイズ対応の取扱説明書を添付の上、届けることでリードタイムの圧縮とコストの削減を実現。
◆「羽田物流ターミナル」を活用した各種事業面の問合せ窓口
電 話:03-3248-5836(9:00〜18:00)
担 当:山本、佐藤