2011年5月26日(木)
国土交通省は5月20日、平成23年度からの定期点検整備実施率向上のための取組みについて発表した。
同省では、事業用自動車について輸送のプロとして乗客の生命、顧客の財産を預かり、より高度な安全性が求められていることから、故障等による事故を防止するため、点検整備を確実に行うことが不可欠であるとしている。
しかしながら、事業用自動車の点検整備の実施状況は十分であると言い難い状況にあることから、点検整備の確実な実施を図るため、平成23年度から当面以下の取組みを行うこととした。
(1)運送事業者への立入調査
定期点検を行う前に車検を受ける、いわゆる前検査を実施した事業者に立入り、定期点検の実施状況を調査するとともに、必要に応じて点検整備の確実な実施の指導等を行う。
(2)整備管理者研修の充実
運送事業者が保有する自動車の点検整備を管理するために選任している整備管理者に対して行う整備管理者研修において、定期点検実施の重要性の周知を図る。
(3)トラック事業者への啓発
貨物自動車運送適正化事業実施機関の協力を得て、同機関がトラック事業者に対して行う巡回指導の際に、平成21年改正の監査方針・行政処分基準の強化に関する情報を掲載したリーフレットを配布することにより、点検整備の適切な実施を促進する。
■事業用自動車の定期点検整備実施率:トラック→53%
※ 定期点検実施率=対象車両の定期点検整備の延べ実施回数/(定期点検整備設定回数×対象車両数)
■事業用自動車の定期点検の励行に対するこれまでの主な取組み
(1)自動車点検整備推進運動(平成6年から毎年)
・国土交通省及び自動車点検整備推進協議会が中心となって全国各地で実施
・9月及び10月の2ヶ月間を強化月間として自動車ユーザーに点検整備の必要性を啓発
・大型トラックやバスの使用者に対して、重点点検の実施を要請
・平成22年度は、長期使用車両の使用者への啓発を強化するとともに、エコ整備(点検整備によるCO2削減効果)をPR
(2)「前検査」を行った自動車使用者に対する啓発はがきの送付
(平成11年から毎年)
・定期点検を行う前に車検を受ける、いわゆる前検査を実施した自動車の使用者に対し、確実に定期点検を実施するよう、実施を促すはがきを送付。
・平成21年には約4,800台の事業用自動車が前検査を実施しており、事業者にはがきを送付。
(3)運送事業者に対する行政処分基準の強化(平成21年10月)
・日常点検の未実施及び定期点検整備の未実施に対する行政処分基準を強化
・巡回監査及び呼出監査の端緒に下記を追加
→ホイール・ボルトの折損による車輪脱落事故を引き起こした事業者
→整備不良に起因する死傷事故を引き起こした事業者
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