タダノ、高所作業車ハイパーデッキ AT-530CG発売
2021年6月4日(金)
株式会社タダノは、国産最大の地上高と作業半径を誇る高所作業車を発売した。
1.製品名
ハイパーデッキ AT-530CG
(注)ハイパーデッキとは?
同社製品において、最大地上高40m以上の高所作業車の総称。大きな作業範囲を有する高所作業車である。
2.性能
最大地上高:52.8m、 最大作業半径:26.8m(積載荷重120kg時)
3.開発コンセプト
ハイパーデッキ AT-530CGは、近年における高所作業のさらなる多様化に応えるべく、従来の40mクラスのハイパーデッキから、大きく性能を凌駕する高所作業車として、地上高や作業範囲はもちろんのこと、安全性、快適性、使いやすさなど、各種機能の拡充をコンセプトとして開発された。
車両は汎用トラック架装の車両総重量25t未満の新規格車として、高速道路や主要幹線道路において通行制限なしで走行可能な車両で、高い機動性を発揮する。また同機の開発にあたっては、ブームをはじめとする主要構造物に対する同社の蓄積された軽量化技術の反映が、車両総重量25t未満で大きな作業範囲を有する高所作業車の実現につながった。
同製品は、地上風力発電設備の建設やメンテナンスなどの環境保全に寄与する現場や、高架道路・橋梁、建築物、大型施設などのインフラの長寿命化につながる現場での稼働が見込まれ、SDGs推進に向けた社会の発展に貢献する製品の一つとして、位置づけている。
4.主な特長
(1)高い機動性と大きな作業領域
車両総重量25t未満 新規格車(注)の機動性で、国産最大の最大地上高 52.8m、最大作業半径 26.8m(積載荷重120kg時)を実現。架装車両、機体ともに純国産製品。
ビルの看板工事、外壁メンテナンスなどの建築分野、プラントのメンテナンス、イベント設営などの屋内作業、高架道路や橋梁、風力発電の点検やメンテナンスなど、様々な現場において多彩で広範囲な作業での活躍が期待されている。
(注)新規格車とは?
高速自動車国道及び、道路管理者が道路構造の保全、交通の危険防止支障がないと認めて指定した道路(重さ指定道路)を自由に走行できる特定の条件を満たす車両のことを指す。一般的に、車両総重量20t以上の車両が高速自動車国道、指定道路以外の道路を走行する場合は、特殊車両通行許可書が必要になる。
(2)「カラー液晶モニタ」を初搭載
上部(バスケット)操作部、下部(旋回台)操作部に同社高所作業車初のカラー液晶モニタ(LCD)を搭載。機体の「見える化」が作業の安全・安心をサポートする。また画面は昼夜の稼働における視認性に配慮し、「昼モード」と「夜モード」が設定できる。
(3)進化した制御システム
テレマティクスや安全装置の拡充などの各種機能充実のために新型AMCを搭載。先進の機能と制御を支える。またスイッチ1つでブームの自動張出・格納や、操作レバー1本でバスケットの垂直・水平移動を制御。さらに地上高、作業半径等を表示するカラー液晶モニタで状態を把握し、スムーズで効率のよい移動や作業を可能にした。
(4)環境に配慮したアクセル無段階制御
アクセル無段階制御(注)を採用し、無駄なエンジン回転の上昇を抑えることで、作業時の騒音と燃料消費も抑えた。
(注)アクセルスイッチが高速時の場合のみ機能
(5)テレマティクスWEB情報サービス「HELLO-NET」を標準装備
「HELLO-NET」で車両の稼働状況や位置情報・保守管理をインターネットでサポートする。車両の故障時における機体状況の把握及び迅速な対応など、アフターサービス面での有効活用につなげる。
(6)スマートフォン対応アプリ「HELLO-DATA LINK」搭載
同社の高所作業車としては初めて、スマートフォン対応アプリ「HELLO-DATA LINK」を搭載。無線LANで車両本体と携帯端末を接続し、操作情報や、インジケータ情報、エラーコードなどリアルタイムの情報を、少し離れた場所で確認することが可能。