2015年1月26日(月)
ヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸株式会社(本社:東京都中央区・代表取締役社長 山内 雅喜 以下ヤマト運輸)は、本年3月31日の受付分をもって、クロネコメール便のサービスを廃止することを決定した。
廃止の背景として、2003年に総務省より告示された「信書に該当する文書に関する指針」がある。同一文書でありながら輸送の段階で「信書」の場合と「非信書」の場合があるなど、「信書」の定義は極めて曖昧であり、特に個人向けの書類については、総務省の窓口に問い合わせても「信書か否か」即答をもらえないケースが多発しているという。
信書をメール便で送った場合、荷物を預かった運送事業者だけでなく、送り主までも罰せられるケースがある。実際、信書にあたる文書をメール便で送り、郵便法違反容疑で書類送検、あるいは警察から事情聴取されたケースは2009年7月以降、8件にのぼった。同社は事態を重く受け止め、「総務省 情報通信審議会 郵政政策部会」において、送り主が罰せられないような提案を行った。しかしながら「送ったお客さまではなく受け付けた運送事業者のみが罪に問われる基準にすべきである」との同社主張は受け入れられなかった。
今回の廃止は、法違反の認識がない送り主が容疑者になるリスクをこれ以上放置することは、同社の企業姿勢と社会的責任に反するものであり、このままの状況では『安全で安心なサービスの利用環境』と『利便性』を企業努力だけで持続的に両立することは困難であると判断したため、としている。
法人ユーザーについては、事前に内容物の種類を確認できるカタログ、パンフレットなどの「非信書」に限定し、運賃体系も見直した上で、本年4月1日より「クロネコDM便」と名称を変更し、サービスを継続する予定。
詳細はヤマトホールディングスホームページへ。
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