2015年3月16日(月)
J.D. パワー アジア・パシフィックが行った2014年日本大型トラック顧客満足度(Japan Heavy-Duty Truck Ownership Satisfaction)調査 によると、大型トラックメーカーの顧客満足度は、メーカー間の格差が広がっていることが明らかとなった。特に、営業活動の質の要因により、対象者の半数近くを占める中規模事業者(保有車両11〜30両)と小規模事業者(保有車両10両以下)セグメントにおけるメーカー間格差は、昨年よりも大きくなっている。
この調査は、全国のトラック貨物輸送事業者(緑ナンバー)の経営者を含む車両購入決定権者を対象に、各事業者が保有する大型トラックのメーカー(含販売店)に対する総合的な顧客満足度を測定するものである。10回目となる今回は2014年10月から11月に郵送調査を実施し2,267の事業者から回答を得た。なお、1事業者につき最大2メーカーまで評価してもらうため、実際の回答は3,437件となっている。
調査では大型トラックに関する総合的な顧客満足度の評価を、4つのファクターに基づいて算出し、それらは影響度順に「アフターサービス」(47%)、「営業対応」(24%)、「コスト」(13%)、「商品」(16%)、となっている(カッコ内は総合的な顧客満足度に対する影響度)。各ファクターにおける合計62の詳細項目に対する顧客の評価をもとに、総合満足度スコアを1,000ポイント満点で算出している。
2014年の総合満足度の業界平均スコアは、昨年同様の618ポイントとなった。セグメント別平均でみると大規模事業者が632ポイントで業界平均値を上回り、中規模事業者が612ポイント、小規模事業者が616ポイントとなった。更に、中規模、小規模事業者における最上位と最下位のブランド間の差は30ポイントとなり、昨年の17ポイント、12ポイントからそれぞれ拡大している。
<主な調査結果>
・総合満足度の推移をみると、業務改善提案を受けた顧客の満足度が、そのような提案を受けなかった顧客と比較して高くなっている。(各々 710ポイント, 686ポイント)。
・業界平均のコストファクターにおける満足度(544ポイント)は、他のファクターと比べて低いスコアであるが、前年より唯一改善した(+8ポイント)。他の営業対応、アフターサービス、商品の各ファクターはいづれも3ポイントの低下となった。
・事業規模別にみると、小規模事業者におけるコストの改善幅が最も大きく、前年より21ポイントアップの543ポイントとなった。また、コストの種類でみると、車両購入時といった初期コストよりは、故障修理代(+5ポイント)、部品価格(+5)、点検整備代(+4)といった維持・管理費に関連する項目において、評価の改善が顕著である。
・ロイヤルカスタマー(前回と今回の購入メーカーが同じで、かつ、次回も同じメーカーを購入すると回答した顧客)の総合満足度は640ポイントと、「次回は今回と違うメーカーを購入する」と回答した顧客の満足度(521ポイント)と比べて、119ポイント高い。
・特に、営業対応ファクターでは、ロイヤルカスタマーの満足度は「次回は今回と違うメーカーを購入する」と回答した顧客より144ポイント高くなっており、顧客と継続的な取引をするためには営業対応の強化が重要であることがうかがえる。
<総合満足度ランキング>
ブランド別総合満足度ランキングでは、対象となった4ブランドのうち、日野が総合満足度スコア631ポイントで6年連続で第1位となった。顧客満足度を構成する4つのファクターのうち「アフターサービス」、「営業対応」、「商品」で最も高い評価となった。 ブランド別ランキングの第2位には、昨年からのスコア改善が11ポイントと最も大きい三菱ふそう(627ポイント)。第3位はいすゞ(607ポイント)、第4位はUDトラックス(605ポイント)となった。
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