新型バッテリーフォークリフト「FE30-1」
コマツ(社長:大橋徹二)は、最新技術を織り込んだバッテリーフォークリフト「FE30-1」を9月1日から発売した。
同社は、小型クラスはバッテリー式フォークリフト「FEシリーズ」、中型クラスは油圧駆動式トランスミッションを採用したディーゼルエンジン式フォークリフト「FHシリーズ」を中心に商品展開を進めている。
「FE30-1」は先に発売した「FE25-1」と同様に、バッテリー式ならではの環境性能・快適性・低ランニングコストはそのままに、コマツ独自の急速補充電システムにより長時間稼働を実現した。加えて、耐水性・防塵性を高めることで、屋外や粉塵など様々な現場環境に対応。また、イージーメンテナンスバッテリーの採用により、面倒なバッテリー補水作業や、充電時にバッテリーフードを開放する作業は一切不要となっている。さらに、車両の稼働状況を把握する「KOMTRAX」を標準搭載。稼働の「見える化」を実現し、フリート遠隔管理と現場改善を支援する。
バッテリー式の特長である「環境性能&経済性」と、エンジン式の特長である「長時間稼働&手間いらず」を両立し、バッテリー式フォークリフトの稼働現場を一気に拡大する予定。
◆商品の特長◆
1.環境、作業性
・新開発の定置式急速充電器
インバータ制御により最適な充電制御をする、バッテリーに優しい急速充電システムを新たに開発。1時間程度の短時間でバッテリー容量の最大80%(*1)まで回復できるので、昼休みや休憩時間などを利用して急速補充電をすることで、1日あたりの稼働時間を大幅に延長した。
*1. バッテリー残量30%から80%まで1時間で回復できる。
・補水不要で手間いらず
充電中に内部の電解液がほとんど減らないイージーメンテナンスバッテリーを採用。一般的なバッテリーと違って補水の手間も費用も掛からない。また充電中に水素ガスがほとんど発生しないので、充電のたびにバッテリーフードを開放する煩わしい作業も不要。
・バッテリー式フォークリフトならではの環境性能と低ランニングコスト
バッテリー式フォークリフトのCO2 排出量はディーゼルエンジン式フォークリフトに比べて1/3 (*2)と、環境負荷の低減に貢献する。また、現場で排出ガスを発生しないので、現場環境を大幅に改善。さらに電気代はディーゼルエンジン式フォークリフトの燃料代の約1/5 (*3)となっている。
*2. 同社3tディーゼルエンジン式フォークリフトとの同社計算値による比較。
CO2 排出係数は経済産業省・国土交通省共同ガイドライン(2007年3月)によって計算。
バッテリー式フォークリフトのCO2 排出は電力使用に伴うもので、排出係数は、2014年12月5日公表の代替値を使用。
*3. 燃料消費量および車両の負荷条件は当社テストデータを使用。燃料費・CO2 排出量はユーザーの稼働状況によって異なる。
2.ICT
・フリート遠隔管理と現場改善を支援するKOMTRAX標準搭載
KOMTRAX は位置情報、稼働状況に加え、バッテリー充電状況、消費電力量などユーザーに車両の情報を提供し、日々の稼働・充放電状況の「見える化」を実現した。同社のサービス網はKOMTRAXを活用し、車両をいつでもベストコンディションで使用できるように「安心」と「信頼」を提供しているという。
・車両や充電状況を一目で把握
大型のカラーマルチモニタを搭載し、走行速度やバッテリー残量など車両の状況を一目で把握。走行・荷役パワーモード設定や車速制限などのセットアップも容易に行える。ボタン操作により稼働時間、充電電力量、電力料金や積算CO2排出量 (*4) などさまざまな情報を確認できる。
*4. 電力料金、積算CO2 排出量は設定単価・排出係数にて換算した表示。
3.耐環境性・安全性
・雨天の屋外や粉塵など様々な現場環境に対応
密閉構造のモータ・コントローラを搭載し、電装品の耐水性・防塵性を向上。また車体側の充電プラグ差込口にキャップを標準装備し、水やホコリの侵入を防ぐ安心設計になっている。さらに、バッテリーフードを閉じたまま充電可能になっており、充電中にバッテリー内部に雨水が侵入する心配がなく、車体を屋外に出したままで充電可能になった。雨天時の屋外走行や港湾・漁港など路面の水を巻き上げながらの走行、また粉塵の多い現場でもエンジン式フォークリフトと遜色のない稼働能力を発揮する。
・作業の安定性と快適性を向上
従来のバッテリー式フォークリフトよりホイールベースとトレッド幅を広げることで、走行ピッチングを大幅に低減し、安定性を向上させた。振動が少ないバッテリー式フォークリフトの特長をより高め、快適な乗り心地を実現し、優れた走行・旋回安定性を発揮する。