日野、ドライバーの睡眠改善に役立つ講習コンテンツ追加
2019年7月18日(木)
運行管理者等指導講習の様子
― 居眠り事故防止に貢献するため、ユーザー向け「運行管理者等指導講習」において7月13日から開始 ―
日野自動車株式会社(本社:東京都日野市、社長:下義生)は、ユーザーの安全運行に貢献するための活動として実施している「運行管理者等指導講習」において、ドライバーの睡眠改善に役立つコンテンツを新たに追加した。これは近年の追突事故の50%を占めている居眠りを原因とする事故※1防止に貢献することを目的としたもので、新コンテンツを盛り込んだ講習は7月13日からスタートした。
同社は「Challenge2025※2」において、社会とユーザーの課題解決の一つとして「交通死亡事故ゼロ」を掲げており、その実現に向け「安全・環境技術を追求した最適商品」「最高にカスタマイズされたトータルサポート」の提供に取り組んでいる。事業用自動車の安全運行を目的とした運行管理者等指導講習はトータルサポートの一環として実施しており、自動車メーカーとして行っているのは同社のみ※3。今回のコンテンツ追加によって一層充実した内容を提供できるようになった。
■今回開始する新コンテンツについて
<背景>
トラックによる高速道路での死傷事故件数の約70%が追突事故であり、その原因の50%が居眠り運転であるというデータに加え、2018年6月より施行された国土交通省の事業者向け規則改正において、睡眠不足の運転手を乗務させることが禁止され、かつ、乗務前の点呼において睡眠不足を確認、報告および記録することが義務化されたことから、運送事業者の睡眠改善へのニーズが高まっている。
<睡眠改善に役立つコンテンツとは>
ドライバーの睡眠改善に役立つコンテンツの作成にあたっては、株式会社ニューロスペース(本社:東京都墨田区、社長:小林孝徳)の協力を得た。株式会社ニューロスペースがこれまでに多様な産業現場で蓄積した70社・延べ1万人以上の睡眠課題ビッグデータ・改善ノウハウをもとに、運送事業者が抱える特有の睡眠課題や睡眠の質に関わる生活習慣に焦点を当てた内容になっている。運行管理者は、自社のドライバーがその日から取り組める改善策を動画で学ぶことができる。
また、同社は「交通死亡事故ゼロ」の実現に向けたハード面の対策として、「安全・環境技術を追求した最適商品」の開発も進めている。例えば、ドライバーの集中力低下や運転姿勢崩れを検知すると警報で知らせる「ドライバーモニター?」を大中型トラックと大型観光バスに標準装備化することや、近年増加傾向にあるドライバーの健康状態の急変による事故※4の対策として、昨年7月に非常ブレーキスイッチ式の「ドライバー異常時対応システム(EDSS)」を商用車として世界で初めて実用化することなど、開発した技術の速やかな市場投入と、積極的な標準装備化を進めている。
※1 全日本トラック協会発行 広報とらっく 2016年11月15日号
※2 2018年10月30日公表
※3 2019年7月11日時点、同社調べ
※4 国土交通省発行 自動車運送事業用自動車事故統計年報
<運行管理者等指導講習について>
運行管理者等指導講習とは、事業用自動車の安全運行を管理する運行管理者が2年に1回受講しなければならない講習で、独立行政法人自動車事故対策機構のほか、貨物自動車運送事業輸送安全規則に基づき国土交通大臣が認定した企業・団体が実施している。
同社は2015年に認定を取得し、講習を実施。受講者数は年々増加しており、2018年は約900人が受講した。講習内容は認定機関が独自にアレンジできるため、同社では安全運転支援装備の知識や事故防止対策事例を交えたより実践的な内容を提供している。
同社グループ会社でも運行管理者等指導講習を実施できるよう認定取得の支援や講師の育成も行っており、これまでに13社が認定を取得している。